第87夜 ページ42
退院した筈のハーマイオニーが、また医務室に戻ってきた
毛むくじゃらじゃなくて、今度はバジリスクの犠牲者として
運び込まれてきたハーマイオニーの手には可愛らしい手鏡が握られていた
『君は、犯人に辿り着いたんだね、ハーマイオニー』
たまたま持っていただけとは、聡明な彼女を思えば考えられなかった
それに、手鏡とは逆の方の手に握り込められた紙はきっとバジリスクについての資料だろう
『失礼するよ』
一声掛けて、固くなった彼女の拳を優しく解き 一枚の紙を取り出す
案の定それはバジリスクの項目のページで、彼女が石になる直前に答えに至った事を示していた
『……』
クシャクシャのそれを、僕は少し逡巡して丁寧に広げ、懐から羽根ペンを取り出して握った
一言だけ添えた紙をもう一度彼女にしっかりと握り込ませると、ちょうど慌ただしく医務室のドアを開けてハリーとロンが駆け込んできた
「ハーマイオニー！！」
「ウソだろ、そんな…！」
ショックで崩れ落ちる二人を僕は何も言わず傍で見守る
「A……」
『うん、落ち着いた？』
僕の問いに小さく二人が頷き返した
『そう。ハリーもアレを手放した様で何よりだよ』
「あ…その事なんだけど」
以前感じた闇の気配がハリーから消えたので安心していたが、しかしハリーの話を聞いた限り盗まれてしまったらしいので行方は分からないようだ
それからその日記を拾った経緯や日記で見た"T･M･リドル"の記憶の内容について説明してもらい、僕は『成程ね』と息を零した
『それで、日記に見せられた記憶を信じたハリー達は森番のハグリッドを疑っている、と』
「うん、だから今夜ハグリッドを訪ねて秘密の部屋への糸口を…」
『はっきり言うけど、ハリー』
まだ喋っていたハリーを遮って、僕は少し強めに彼等に向けて言い放った
『そのトム・リドルって奴、信用しない方がいい
…でもまぁ…森番の所へ行くのは止めないよ
解決の糸口が見つかるかもしれないしね』
僕も今回の騒動がパイプを移動するバジリスクだとは知っているけど、秘密の部屋への行き方を知っている訳ではない
なら、50年前にも開かれたという秘密の部屋について何か握っていそうな人物に話を聞くのが手っ取り早い
『(部屋を見つけたからといって何をする訳でもないけど…)』
ただ、取り返しのつかない事が起こったならその時は、知っていたうえで黙っていた責任を取ろう
…そう、決意した
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たると - 誕生日が、一緒だー!!!!!!!!!!!やったー!!!!!!!!!!!!!! (2020年11月22日 18時) (
レス) id: 4d06b37767 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 雪見だいふく魚味さん» ご指摘ありがとうございます！Miss.とMs.が混ざった謎の新しい単語を生み出してしまいました…笑 修正しておきました、報告感謝です！ (2020年2月16日 23時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく魚味(プロフ) - １つ気になったのですが、第94夜の『Mis,』って，『Ms,』ではないか？と思いました。英語はまだ習い始めたばかりなので，そう言う表現もあるのかもしれませんが，少し気になったので，報告させていただきました。長文失礼しました。 (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2d7f9b3bbb (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» ありがとうございます！ ハリーみたいに真っ直ぐなザ･主人公もいいけど、ちょっと複雑な主人公も良いですよね！これからも二人の対比にご注目ください！ (2019年7月16日 0時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 光と闇の主人公同士ですな。素晴らしい (2019年7月15日 2時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年2月8日 21時
