第85夜 ページ40
束の間の休暇も終わり、数週間ぶりにホグワーツに帰ってきた
今日からまたすぐ授業が始まるため、多くの生徒が慌ただしく廊下を行き来しているが、僕は悠長にポケットに手を突っ込んで医務室に向かっていた
『久しぶり、マダム』
「あらあら、また少し痩せたんじゃなくて？」
慣れたように医務室に足を運び入れると、マダムが「さぁさぁ」と言いながら近くの丸椅子に僕を座らせた
『ん？ もしかして、ハーマイオニー？』
「……よく分かったわね、A」
マダムがお茶を入れに行くのを横目で確認しながら、閉ざされたカーテンの向こうから既知の気配を感じ取ったため、声を掛ける
『カーテンは開けない方が良さそうだね』
なんとなく、見られたくないだろう、と直感して言ったが、彼女は事も無げに「別に構わないわよ」と返した
「殆ど治りかけだし、それにそろそろ……」
そこまで言った所で、廊下の方から男の子達の賑やかな声が聞こえてきて僕は振り返った
「ハーマイオニー、お見舞いに……って、A！」
ハーマイオニーのお見舞いに来たという二人、ハリーとロンが、手にいくつかのフルーツを携えて医務室に入ってくるのを、僕は軽く手を振って迎えた
『二人とも、久しぶりだね』
「Aは休暇どうだった？
僕達…というかハーマイオニーは災難だったんだぜ」
そう言いながら女の子の居るカーテンを躊躇いなく開けていくロンに少し呆れながら、ちらりと彼女のいる所に視線を滑らせる
すると、殆ど抜け落ちているとはいえ、顔中が毛むくじゃらになったハーマイオニーと目が合ってしまった
『…間違えて猫の毛でも煎じちゃった？』
「…えぇ、ズバリそうよ」
以前女子トイレでポリジュース薬を作っていたのを思い出し尋ねると、案の定最後の最後で失敗したらしい
これ以上彼女の顔について触れまい、と目を逸らすと、微かに嫌な空気がハリーの方から漂ってきたのに気付く
『ハリー？何か今持ってる？』
「えっ、うん…フルーツ」
『じゃなくて』
戸惑いを示すハリーに、僕も段々と闇の気を強くし始めた"ナニカ"に警戒を強めていく
『そう…、丁度そこ、右ポケットに入ってるそれだよ』
ビクリとハリーの体が揺れるのも構わず、ただポケットの中のソレを睨んだ
『ハリー、何処で拾ったか知らないけど…
それ、一刻も早く＿＿＿＿捨てな』
それだけ言い残すと、目を丸くしたハリー達を置いて、瘴気を断つようにその場を後にした
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たると - 誕生日が、一緒だー!!!!!!!!!!!やったー!!!!!!!!!!!!!! (2020年11月22日 18時) (
レス) id: 4d06b37767 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 雪見だいふく魚味さん» ご指摘ありがとうございます！Miss.とMs.が混ざった謎の新しい単語を生み出してしまいました…笑 修正しておきました、報告感謝です！ (2020年2月16日 23時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく魚味(プロフ) - １つ気になったのですが、第94夜の『Mis,』って，『Ms,』ではないか？と思いました。英語はまだ習い始めたばかりなので，そう言う表現もあるのかもしれませんが，少し気になったので，報告させていただきました。長文失礼しました。 (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2d7f9b3bbb (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» ありがとうございます！ ハリーみたいに真っ直ぐなザ･主人公もいいけど、ちょっと複雑な主人公も良いですよね！これからも二人の対比にご注目ください！ (2019年7月16日 0時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 光と闇の主人公同士ですな。素晴らしい (2019年7月15日 2時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年2月8日 21時
