第84夜 ページ39
あの後ニヤニヤと揶揄ってくる大人気ないダンブルドア先生から逃げ出し、クリスマス休暇まで残り僅かの数日を医務室で過ごした
その間に、また二人の犠牲が出た
また不幸中の幸いで、ハッフルパフ生の命に別状はなく、もう片方の被害者もゴーストだった
それが原因で生徒のハリーに対するあたりが強くなったみたいだが、見当違いにも程があるなと僕は傍観の態度を貫いた
「じゃあなA、また来年」
『うん、ドラコも元気でね』
冬の凍えるような寒さに白い息を吐いて身を震わせる
今日から暫くのクリスマス休暇だが、今回はドラコは帰省しないらしい
僕は珍しいなと思いながら、玄関ホールまで態々見送りに来てくれたドラコに軽く手を振って、もうすぐ出発する汽車に一人乗り込んだ
「久しぶりだな、お帰りA」
『うん、ただいま父様、母様』
キングス・クロス駅に着くや否や待ち構えていた二人に連れられて久しぶりの実家へと帰った
いつもは厳格な表情を滅多に崩さない父様が、今日はやけに柔らかく見えた
「ホグワーツの現状は聞いている」
『ふーん』
家に着くとコートや荷物を屋敷しもべに預け温かなリビングのソファに身を沈めると、見計らった様なタイミングで父様が口を開いた
「このままマグル生まれなど一人残らず消えてしまえばいいのだが」
『……』
僕は特に何も言うことなく、ただ暖炉で燃え盛る炎をぼんやり眺める
何となく…というか絶対『闇の帝王と話した』なんて言ったら面倒臭い事になるので無言で口を閉ざす
「まぁいい、ソフィー食事にしよう」
「えぇ、そうしましょ」
父様と同じく柔らかな雰囲気の母様が、近くにいた屋敷しもべにむかって「速く準備なさい」と冷たく言い放った
『じゃ僕、部屋に戻ってるから』
やっと解放されたと腰をあげようとすると、しかし父様が肩を押して再び僕はソファに身を沈ませた
「上等な茶葉がある、付き合いなさい」
そう言うと父様は僕の返事も聞かずにダイニングルームへと消えていった
『……はぁ』
自由に程遠い、窮屈なこの"檻"に閉じ込められた僕のため息なんて、誰に聞かれることも無く空気へと溶けていく
『(……帰りたい)』
ここは自分の家の筈なのに可笑しいなと自嘲しながら、僕もノロノロと足を動かして二人の待つ部屋へ向かった
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たると - 誕生日が、一緒だー!!!!!!!!!!!やったー!!!!!!!!!!!!!! (2020年11月22日 18時) (
レス) id: 4d06b37767 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 雪見だいふく魚味さん» ご指摘ありがとうございます！Miss.とMs.が混ざった謎の新しい単語を生み出してしまいました…笑 修正しておきました、報告感謝です！ (2020年2月16日 23時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく魚味(プロフ) - １つ気になったのですが、第94夜の『Mis,』って，『Ms,』ではないか？と思いました。英語はまだ習い始めたばかりなので，そう言う表現もあるのかもしれませんが，少し気になったので，報告させていただきました。長文失礼しました。 (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2d7f9b3bbb (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» ありがとうございます！ ハリーみたいに真っ直ぐなザ･主人公もいいけど、ちょっと複雑な主人公も良いですよね！これからも二人の対比にご注目ください！ (2019年7月16日 0時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 光と闇の主人公同士ですな。素晴らしい (2019年7月15日 2時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年2月8日 21時
