第82夜 ページ37
確かに無言呪文は相手の意表を突くという意味ではメリットが大きい
けれどいい事ばかりでは無いのだ
言葉には力が宿る
それを音にして乗せるのとそうでないのでは、明らかな威力の差が出来てしまう
どんな魔法使いであれ、それは不変の理だ
以前、ハリー達の前で杖を出した事がある
普段は僕の身体の中で眠るソレ
あの時はただ体から取り出しただけに過ぎないが、今回は違う
＿＿＿＿"呼ぶ"のだ
『世界の西の果て
銀白色の葉より造られた
我が永遠の"憎悪"』
突き出した右手に何処からともなく現れたポプラ葉を象った光が集まる
『我が手に落ちし神器、触れられざる神秘』
一族の家宝、そして伝説
誰の手にも触れさせなかったソレが、今僕の眼前で眩い光と共に形作られいく
『〈
言い終えると同時に一層光が増し、まるで神の後光の様だ
「いやはや、神の杖をお目にかかれるとは幸運じゃな」
久しぶりの杖の感触に浸っているとダンブルドアから声がかかる
『そんな大層な物でもないさ
大きくて持つの怠いし
それじゃ、始めよっか』
そう言うと先生も好々爺然とした雰囲気をガラリと一変させ、お互い意識を尖らせたまま礼をした
顔を上げて、目が合えば…
いや、お辞儀をしたその瞬間から、魔法使いの決闘は始まる
トンッと杖で地面に叩くと、魔力で精製された尖った氷の凶器がダンブルドアに襲い掛かる
「っ、プロテゴ！」
一拍遅れたダンブルドアが間一髪氷から身を守ると、次の呪文を紡がせる前に自分の脚に魔法を纏って一歩で懐に潜り込む
『遅いよ！』
杖を一振りして新たに精製した氷で空中から狙いながら足技をかける
「フンッ」
老体とは思えぬ身軽さで僕の足を躱し、空中の氷も杖先から噴き出す火炎で跡形もなく溶かしていく
『うわっ』
それどころかそのまま杖を大振りに回し、僕の周りを炎の壁が囲い覆う
この高さじゃ周りの様子も見えない
暑いので魔法で水を生成し火を消そうとするが、あっちも本気なのか中々消えてくれない
『ったく、それが大人のやることですか』
段々と距離を詰めてくる炎の壁に、早々に消火は諦めて僕は杖でトントンと床を叩く
途端に現れた空洞にそのまま逆らう事無く吸い込まれながら、次の行先、つまり出口を魔力で練り上げる
「ほう」
背後に現れ魔法を嗾ける僕に先生は慌てることなく距離をとった
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たると - 誕生日が、一緒だー!!!!!!!!!!!やったー!!!!!!!!!!!!!! (2020年11月22日 18時) (
レス) id: 4d06b37767 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 雪見だいふく魚味さん» ご指摘ありがとうございます！Miss.とMs.が混ざった謎の新しい単語を生み出してしまいました…笑 修正しておきました、報告感謝です！ (2020年2月16日 23時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく魚味(プロフ) - １つ気になったのですが、第94夜の『Mis,』って，『Ms,』ではないか？と思いました。英語はまだ習い始めたばかりなので，そう言う表現もあるのかもしれませんが，少し気になったので，報告させていただきました。長文失礼しました。 (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2d7f9b3bbb (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» ありがとうございます！ ハリーみたいに真っ直ぐなザ･主人公もいいけど、ちょっと複雑な主人公も良いですよね！これからも二人の対比にご注目ください！ (2019年7月16日 0時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 光と闇の主人公同士ですな。素晴らしい (2019年7月15日 2時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年2月8日 21時
