第78夜 ページ33
「ヘルエレガル！食事の時間ですよ、さぁ大広間に行きなさい！」
『えぇえ〜…』
医務室で過ごすようになって暫く経った
その間お見舞いに来たり怪我をしたりで医務室に出入りした生徒達から不躾な視線を投げられたり、他人の気配で落ち着いて本も読めないなどの弊害は多々あったが、最初はあまり近付いて来なかったマダム･ポンフリーが今では遠慮なしに僕を叩き起すくらいには打ち解けるようになった
『ダルいから要らない』
「貴方はまたそんなこと言って…！ 不摂生にも程がありますよ！
……固形物を体が受け付けないというのなら、せめてスープだけでも飲みなさい、少しずつ慣れていかないと」
ここで過ごすうちに僕の栄養の摂り方を知ってしまったマダム･ポンフリーは、こうして何かと世話を焼くようになった
最初はあんなに怯えていたのに、ダンブルドア先生の口添えがあったとはいえ今では母親のようなその態度に、僕も強く言えず渋々頷いた
『…吐いたらマダムのせいだからね』
「えぇ、その時は責任をもって看病します」
根負けして『はぁあ』と特大の溜息をついた僕は、ノロノロと体を起こして身だしなみもそこそこに大広間へと向かった
どうせ行ってちょっとスープを飲むくらいだ、雑に髪をぐしゃぐしゃと撫でつけ歩く
「おはようございますヘルエレガル、珍しいですね」
『…あーうん、おはよ〜先生』
くぁっと欠伸をしながらすれ違ったスプラウト先生に挨拶する
「よく眠れてないみたいですね」と言う先生に『他人がいる寝床には慣れないねぇ…』と返した
教師用テーブルに向かう先生と別れ、既に食事を始めていた生徒達のテーブルに僕もお邪魔する
先生達から最も遠い端の席にちょこんと座り欠伸を零した
気を抜くと寝てしまいそうだった
夢魔の相手は勘弁なので死ぬ気で粘るが
テーブル上の食事を物色していると湯気を立てる温かそうなオニオンスープを見つけて皿に注いだ
『……』
無言で口をつける
味付けは久しぶりだからだろうか、濃く感じたし、スープに入っている玉ねぎは薄いとはいえ口に含むと違和感を残した
早々に音を上げ、一口つけただけの皿を脇に追いやり水を一気に呷る
もう帰ろ、と腰を上げた所で近くのレイブンクロー生が楽しげに話す声が聞こえてきた
「玄関の掲示板見た？」
「決闘クラブのこと？ 絶対行くわ！楽しみね！」
その内容は僕も気になったが、結局大した事無いんだろうなと一瞬で興味は削がれていった
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たると - 誕生日が、一緒だー!!!!!!!!!!!やったー!!!!!!!!!!!!!! (2020年11月22日 18時) (
レス) id: 4d06b37767 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 雪見だいふく魚味さん» ご指摘ありがとうございます！Miss.とMs.が混ざった謎の新しい単語を生み出してしまいました…笑 修正しておきました、報告感謝です！ (2020年2月16日 23時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく魚味(プロフ) - １つ気になったのですが、第94夜の『Mis,』って，『Ms,』ではないか？と思いました。英語はまだ習い始めたばかりなので，そう言う表現もあるのかもしれませんが，少し気になったので，報告させていただきました。長文失礼しました。 (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2d7f9b3bbb (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» ありがとうございます！ ハリーみたいに真っ直ぐなザ･主人公もいいけど、ちょっと複雑な主人公も良いですよね！これからも二人の対比にご注目ください！ (2019年7月16日 0時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 光と闇の主人公同士ですな。素晴らしい (2019年7月15日 2時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年2月8日 21時
