第77夜 ページ32
男の子が寝かされたベッドの傍らに丸椅子を見つけ、冷たい床から足を離して行儀悪くも椅子の上で足を抱えて座った
「なんという事じゃ…」
その時だ
ちょうどダンブルドア先生とマクゴナガル先生が急ぎ足で軽く息を弾ませて医務室に入ってきて、男の子と僕に目を向けてそう呟いた
「校長先生…、もしや…」
「あぁ、また襲われたのじゃ
ミネルバがこの子と、…そしてAを階段の所で見つけてのう」
その言葉にさっきまで心配げだったマダム･ポンフリーの顔に、僕に対する恐怖の感情が浮かんだ
「傍にブドウが落ちていました
多分こっそりポッターのお見舞いに来ようとしたのでしょう…」
『ハリーに？』
事件現場にいた弁解をする前に、ハリーが怪我をしていた事に驚いて口を挟んだ
「えぇ、彼はある教師の不適切な処置で、腕から骨が抜き取られていますから」
『へぇ…そりゃまた…』
それだけで誰のことか分かり、災難なハリーに同情した
そのハリーはというと、少し遠くのベッドで寝たフリをして僕達の話に耳をそばたてているのを感じた
最近はロンから疑われていたから、今回の事で余計疑いの目が強くなりそうだと嘆息する
「この子が襲った者の写真を撮ったとお思いですか？」
マクゴナガル先生の声に意識をまた先生達に戻すと、ダンブルドア先生が男の子のカメラを手に取っていた
ダンブルドアは何も言わず、カメラの裏蓋をこじ開ける
その際チラリと一瞬僕に目を向けたのを見逃さなかった
「なんてことでしょう…！」
マダム･ポンフリーが小さく声を上げる
カメラは、シューッと音を立てて蒸気を噴き出していた
「溶けてる…」
マダム･ポンフリーが腑に落ちない表情をして僕に視線を向けた
いい加減、何も言わないからといって好き勝手に疑いを向けてくる周囲に疲れて、僕は『はぁ…』と溜息をついた
『言っとくけど、僕じゃないからね
そのカメラも、一連の事件についても』
ハッキリと否定した僕に、ダンブルドアだけが「分かっとるよ」とニコッと笑った
『どうだか…』
考えの読めない目から体ごと背ける
すると「じゃが…」とダンブルドアが静かに話を続けた
「君は何か隠しとる、違うかの？」
『何のこと？』
先生の追及を適当にはぐらかす
それで先生も諦めたのか「部屋にお戻り」と言った
『いいよ、ここで
人の目がある方が先生達も安心でしょ』
ベッドにゴロンと転がる
僕の嫌味に先生は何も返さなかった
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たると - 誕生日が、一緒だー!!!!!!!!!!!やったー!!!!!!!!!!!!!! (2020年11月22日 18時) (
レス) id: 4d06b37767 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 雪見だいふく魚味さん» ご指摘ありがとうございます！Miss.とMs.が混ざった謎の新しい単語を生み出してしまいました…笑 修正しておきました、報告感謝です！ (2020年2月16日 23時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく魚味(プロフ) - １つ気になったのですが、第94夜の『Mis,』って，『Ms,』ではないか？と思いました。英語はまだ習い始めたばかりなので，そう言う表現もあるのかもしれませんが，少し気になったので，報告させていただきました。長文失礼しました。 (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2d7f9b3bbb (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» ありがとうございます！ ハリーみたいに真っ直ぐなザ･主人公もいいけど、ちょっと複雑な主人公も良いですよね！これからも二人の対比にご注目ください！ (2019年7月16日 0時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 光と闇の主人公同士ですな。素晴らしい (2019年7月15日 2時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年2月8日 21時
