10人目は頑張り屋さん21

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阿部side



〜30分後〜



佐「阿部ちゃん、大変！
Aが頭痛いって、唸っているって！」



『え、マジ？』




バタバタと俺を呼びにきた佐久間と一緒に
Aの楽屋に行くと、中にはふっかの姿が。





深「A、頭はどんな風に痛い？」




「全体がズキンズキンする...はっ...痛い...」




『気圧だけじゃなくて、肩凝りも原因かも。
ずっと勉強していたし。』




深「あー、頑張りすぎたかな。
佐久間、氷枕持ってきてくれない？」




佐「ん、分かった。」




深「ちょっとツボ押ししようか。
百会(ひゃくえ)のツボが頭痛に効くっていうからね。」




なんて手際よくツボ押しを始めるふっか。





佐「氷枕、持ってきた。
A、ちょっと頭浮かすよ？」




いつもの様子からは考えられないくらい静かな佐久間が、Aの頭を持ち上げて、氷枕を敷いてやる。




「頭痛ってこんなに辛いんだ...っ..」




佐「あと45分か...」





あと45分したら、超眩しいライトの中で
爆音の音楽を聴きながら動かないといけない。




その全てが偏頭痛においては天敵で
だからこそ、少しでも痛みを和らげてやりたかった。





「.......るいかも」




深「ん？どうした？」




「ちょっと気持ち悪いかも...」




『あ、吐き気が出てきちゃった？』




佐「うわ、キツイな...」





吐き気まで出てきてしまったAは
文字通りぐったりしていて...





深「んー？大丈夫だって。もうすぐ治るよ。」




いつまで続くんだろうって不安に思えば思うほど
悪循環に陥りやすいって分かっているふっかは
安心させるように対応していて、すごいなって思った





舘「30分切るけど、大丈夫そう？」




なんて準備万端の舘さんと康二が楽屋にやってきて
Aの様子を見ると、辛そうに顔を歪める。




康「んー...しんどそうやな...」




『照は、どんな感じだった？』




舘「照はなんとか持ち直したっぽかったよ。」




康「冷えピタ持ってきたから、首筋に貼る？
そろそろ準備しないとヤバいよね？」




深「そうだね。冷えピタを貼ってみようか。」





気休め程度にしかならないかもしれないけれど
首筋に冷えピタを貼ってやる。




「そろそろ準備しないと...」




なんて、動き出したAだけど
廊下に出た瞬間に、眩しい電気にやられたみたいで
頭を抱えこんでうずくまる。





深「この明るさで、そんなにキツイか...
舞台はこんなもんじゃないからな...」

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