10人目は頑張り屋さん13*

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阿部side




カズレーザー「阿部くん、具合悪いでしょ。」





『え、いや...その...』





カズレーザー「隠さなくていいから。
マネージャーさんは？」




『別のメンバーの現場に...』





カズレーザー「あー...
じゃあ、俺が家まで送って行くから。」





『いや、このままメンバーと仕事があるんで...』





カズレーザー「え、そんなに具合悪そうなのに行くの？」





『メンバーのスケジュールが今日しか合わなくて...
それに雑誌の撮影なので、なんとかなります。』





カズレーザー「無理しない方がいいって。
相当、顔色が悪いよ？」





『メイクを濃くするか、画像修正してもらうんで...』






カズレーザー「そういうことじゃなくて...」





『ご心配お掛けしてすみません。
また来週、宜しくお願いします。』




カズレーザー「ちょっ！！」






これ以上、優しくされると
つい弱音を吐いてしまいそうだったから
とことん心配してくれるカズさんに
頭を下げて、自分の楽屋に戻ってきた。




戻ってきたんだけど...






♪pipipipi...pipipipi...




『...ヤバイな。』





あまりの怠さにもう一度、熱を測ると
今度は38.0℃の文字が表示されている。





この熱で現場に行ったら
あっという間にメンバー全員にバレて
間違いなく、強制的に帰らされる。



だけど、ここで俺が帰れば
今めちゃくちゃ忙しいAや、めめのリスケが
ものすごく大変だと思う。




時田さんが休職してから
齋藤さんは慣れないチーフの仕事をこなしながら
一生懸命にスケジュールの管理をしてくれている。




ラウールには22時の壁があるから
SnowManの仕事を夜中に移動させればいいなんて
簡単な問題じゃないだろうし...





ここでリスケなんかになったら
きっとAの個人仕事を夜中に回して
数時間の睡眠時間すら奪うことになるか

めめがようやく休めるオフを奪うしかなくなる。





それだけは避けたかった。






次の入り時間まで、あと2時間ある。



ちょっとだけ休もう。






そう思った俺は、楽屋のソファに座った。









そこから先の記憶はない。

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