10人目は頑張り屋さん

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『ん....』



目を開けると眩しい光が入ってきて
思わず目を細めると、揺すられる身体。



深「A？分かるか？」



『んん...ふっかさん...』


そう言うと「良かった。」と安堵の溜息をつく
ふっかさんと照くん。
その後ろにも幾つかの頭が見える。



照「A、レッスン場で倒れたんだよ？」



照くんに言われて頭に浮かぶのは舞台のこと。




『はっ！！舞台！』


飛び起きようとした私を抑えたのは佐久間くん。





佐「A...」



佐久間くんの顔を見て全てを悟った私だけど
そんなに聞き分けがいいはずがない。




『やだ...やだやだやだ...出るから。』




阿「...ドクターストップだよ
それにあと１０分で開演だから...」




『2幕からなら間に合うかもしれない！
やだ！絶対出る！！』




私のところにみんながいるということは
みんなの稽古を止めてしまっているということ。

でもそんなことに頭は回らなくて
とにかく仕事に穴を開けたらダメだって
そればっかりが頭の中を駆け巡っていた。


きっとそんなワガママな私を見兼ねたのだろう。




渡「お前が体調管理を出来なかったからだろ。
自分の管理の甘さが原因で、仕事に穴をあけるなんて
プロ失格だぞ！」



佐「おい！言い過ぎだろ！」



舘「翔太、やめろ！」




渡「...頭冷やしてくる。」



2人に怒られたからか
そう言って病室を出て行った翔太くん。




ううん。言い過ぎなんかじゃない。
翔太くんの言う通り、私が悪いんだもん。
分かってる。けど認めたくない。

だけど...



康「朝、少しだけHiHiのメンバーも来てて、心配そうにしとったよ？」




蓮「今日はゆっくり休んだ方がいいですよ。自分で思っている以上に、Aちゃんの身体は限界です。」




ラウ「Aちゃん...無理しないで..？」



ちゃんと認めないとダメだよね。



『...っ..全部、翔太くんの言った通り...
私の管理が甘かったんです。迷惑かけてごめんなさい...っ...』




大切な仕事に穴を開けてしまったこと

メンバーにも迷惑をかけてしまったこと

出演者の皆さんに迷惑をかけたこと


とにかく悔しくて申し訳なくて、涙が止まらなかった。




♪ピロリン♪


そんな時になった私の携帯。

スマホを受け取って確認すると
HiHiJetsのグループLINEから通知がきていた。



LINEを開くと
私の衣装ラックの前で5人が肩を組んでいる写真と

みじゅき気持ちは6人で!!

とメッセージが送られてきた。

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