10人目は頑張り屋さん

★ダンス師匠 ページ44

佐久間side



「さっくん！」



加入当時は佐久間くんだったのに
いつの間にか “さっくん” と呼んでくれるように
なった俺の姫。


敬語もとれて、すっかり馴染んだ様子に
俺も嬉しくなる。



今まで、嫁と呼んでいたのは何人(何キャラか？)も
いたけど、姫の立ち位置につけるのは
後にも先にも、多分Aだけだろう。




『んー？どした？』





「この曲のダンス教えて？」





『おー。いいけど休憩しなくていいの？』





「うん、大丈夫！
それにあと30分しかないから！」





『あー...そっか。今日はなにするの？』




「ん？クリエに向けた打ち合わせ！」




『そうなんだ！』




HiHiJetsの活動と兼任している姫は
今日もやっぱり忙しい。





『じゃあ振り入れやろうか。
カウントで教える感じでいい？
それともブロックごとの方がいい？』





「ううん。１回フルで踊ってくれない？」




『え？』




「いや最近、見ただけで
振りが覚えられるようになってきて笑

この特技、生かさない方がもったいないでしょ？笑」





『は？マジ？
１回見ただけでいけるの？』





「うん！多分大丈夫だと思う。」
.









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半信半疑だけど
とりあえず1曲踊ってみる。


俺が終わるとすぐに同じ曲をかけて
踊り出したAは細かい動きこそ、ちょこちょこ違っているものの、ほぼ完璧に踊りきった。




『は？ガチじゃん！お前、何者なの！？』




「ん？普通に人間だよ？」





いやいや、俺が言いたいのは
そういうことじゃないのよ。笑




さすがの俺だって
Aがスーパーサイヤ人だとは思ってない笑


でも１回見ただけとは到底思えない完成度に
驚き過ぎて、つい出た言葉が『お前、何者なの！？』
だったってわけ。


それを素直に受け取って
真面目に返してくるA。




ダンスも歌も演技もトークも出来て
ついでに天然だなんて！！
なんて奴だ！！






有り余る才能に驚きを隠せない俺に対して

うんうん。と何度も深く頷いたAは



「やっぱりさっくんのダンスは綺麗だね。
お手本を頼んで良かった！」


と笑顔で言った。




『え？』





「さっくんは知らないだろうけど...

さっくんは昔から、私のダンス師匠だよ。」

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