10人目は頑張り屋さん

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康二side



俺は、あけおめコンをもって
俺を育ててくれた関西から東京に移籍した。


きっとファンの子の中には
関西を捨てたっていう人も居ると思う。


今の俺が何を言おうと何も成し遂げてへんから
説得力は皆無や。やから仕方ない。



俺自身、今だって関西との違いに悩んでいる。

振りの入れ方もそうだし、ノリの違いも、
距離感の違いも全部慣れるのは大変で...
でも、なによりも大変なことは、人間関係の再構築。
人見知りの俺にとっては耐え難いことやった。



でも、俺のことを肯定的に受け入れてくれる
オリメンのみんながいて
俺なんかよりも鋼のように強い目黒がいて
可愛い弟のようなラウールがいて
俺のことを心配して、忙しい合間に連絡をくれる
Aがいて...

ようやく少しずつ馴染めてきていた。





だから、Aの涙は他人事じゃない気がして
つい「辛いよなぁ...」という言葉が出てきた。


そしたらAは泣きながら俺に言った。




「辛いのは私じゃない。
HiHiJetsとSnowManと両グループのファンのみんな。
私に辛いなんて言う資格はないの。」



衝撃的な言葉やけど、よく考えればその通り。

俺らに辛いという資格なんてないんや。



『...っ..Aは本当に強いなぁ。
でも、たまには弱いところも見せてや。』



「康二だって見せないじゃん。」



『俺は平気やもん』




強がる俺らを見兼ねたお兄ちゃん達が


照「いや、康二もAも変わらないから！笑」



深「康二ももっと甘えてこいよ。
いつもは距離感バカなくらいなのに、悩んだ時は一人で抱え込む癖をいい加減直せよ笑」



阿「末っ子気質のくせに、関西では一生懸命
お兄ちゃんをしてたもんな。」



佐「関西はちびっこも多いもんね。」



渡「いいじゃん。ここじゃ康二は弟だし。」



舘「甘えてこいよ。」



『なんかすごいっすね！
Aのおかげで俺まで優しくされたわ笑』



なんて照れ隠しで言ってしまったけど
本当は心の底から嬉しかってん。


俺の居場所はここやって思えたから。



関西から出てきた俺の存在を、まるっと受け入れてくれたことも
顔合わせの時に言ってくれた
「関西での思い出を大切にしたまま
関西に負けないくらいの思い出を作ろうな」
っていう言葉も、本当に嬉しかったんやで。




『SnowManの向井康二です。』



この言葉を言う為には
いろんなことを乗り越えないといけないけれど
この人達と一緒ならきっと大丈夫。


そう思った。

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