10人目は頑張り屋さん

. ページ13

瑞稀side



Aちゃんが欠席することで
今日の演出は大幅に変更となった。


もともと演技力に定評があったAちゃんは
芝居のシーンでも担っている部分が多く
そのほとんどは優斗に引き継がれることになったと
病院からの移動中に連絡をもらっていた。



『おはようございます。
ご迷惑をおかけしてすみませんでした。』



劇場に着くとまずはじめに
座長であるKing&Princeさんに挨拶をする。


これは稽古初日にAちゃんから
必ずやるように言われたことの1つ。




岸「おはよ。A、倒れたんだって？」



永瀬「状態はどうなん？」



海人「大丈夫なの？」



猪狩「原因は栄養失調と睡眠不足、過労みたいで
命に別状はないそうです。」



岸「まぁ、あんな生活を続けてたらそうなるよね」



『知っていたんですか？』



岸「まぁ、俺はAと仲良いからね」



神宮寺「Aの代わりに優斗が入るんだよね？」



優斗「そうです。お願いします！」



平野「ん。そろそろ準備しようか！」
.








.








.








.
立ち位置の調整や5人用に振りの修正、優斗も台詞を暗記しないといけなくて、とにかく本番まで時間がなかった。



『優斗、大丈夫そう？』



優斗「え？あっ、瑞稀くんか。
んー、何とか間に合いそうかな。」




猪狩「立ち位置調整なんだけど、Aちゃんと優斗が
いつもバミリ0.5くらいで立ってるっしょ？
だから今日はお前が0番に立って、みんなも0.5ずつ内側に入る感じにするから。

サウンドチェックの時に確認するから覚えといて。」





ローラー部分の振りを担当しているガリさんにも
立ち位置調整などの皺寄せがくる。





作間「はしもっちゃん、瑞稀くん、Aちゃんのパートの歌割りを確認したいんだけどいい？」



『あー、今行く！』



橋本「瑞稀！早く！」





今回は出来る限りHiHiでカバーしているから
俺らはとにかくバタバタしてて
こんなんで無事に本番を成功させられるのか
正直、すごく不安だった。



でもAちゃんの葛藤や頑張りを知っているからか、Aちゃんに対する怒りや不満は全く湧いてこなかった。



俺だけじゃない。多分みんな一緒。





だから...



『Aちゃんのラック前で、写真を撮って送ろうよ！
Aちゃん責任感じて、絶対落ち込んでると思うから
気持ちは6人だよってちゃんと伝えよう！』




5人で写真を撮ってAちゃんに送ったのには
そんな経緯があったんだ。

会議→←朝の話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す