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2階に上がると、
雄一さんは温かいココアを出してくれた
「ヒーターつけるね」
困った顔で、でもどこか楽しげにそう呟く
「…あれ」
『どうしたんですか?』
「花南ちゃん、ヒーター壊れてるんだけど笑」
『えっ』
「ごめん 寒いよね…」
どうしよ と周りを見渡す雄一さん
あっ、と声を出したかと思えば
「ん」
とあたしに向かって両手を広げる
『え…』
「僕、意外とあったかいから」
『ヒーター代わり ってことですか』
「そゆこと おいで?」
寒かったし、素直に雄一さんの腕のなかに入る
あったかい……
「も…ほんとに後悔した」
『…なんで?』
「あの時帰すんじゃなかったな、って
花南ちゃんに会えなくなるかもしれなかったのに」
『今会えてるからあたしは満足です』
「だーめ 足んないから」
さらに抱き締める力が強くなる
わがままな彼は暫く離してくれなかった
『…雄一さん そろそろ離してもらっても』
「ん、あったまった?」
はい、と離れる
『あれ、予想と違った笑
言っても離してくれないかと思ってたのに』
「それは花南ちゃんの"期待"でしょ?」
『…否定は出来ないですけど』
「よし わかった」
またぎゅっと抱き締められて、雄一さんは深呼吸した
「花南ちゃん」
『はい』
「キス、するね」
優しい瞳でそんなこと言われたらどうしても拒めなくて
小さく頷いた
雄一さんとあたしの影が重なる
やはり雄一さんとあたしは親和数らしい
それも滅多にない数の
交わるはずのない2つの糸が交差した時
奇跡は起こり 糸は絡まってほどけなくなる
言うならば"メビウスの輪"のようなもの
これは運命的に惹かれ合った
ちょっと特別な2人の物語
。゚・+.Fin゚.・。゚*。・
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作者名:にゃんこけし | 作成日時:2017年11月23日 18時