White tree.ﾟ｡･*ﾟ.+ S.T (ページ14)

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―――――花南、別れてほしい

――――そっか

―――――ごめんな？

―――――全然っあたしは大丈夫

これは、夢…？

―――――花南ちゃん、別れてほしい

――――そっか

―――――ごめんね？

――――全然っあたしは大丈夫

――――……じゃ

――――うん、ありがとう雄一さん

――――――――はっ

『雄一さんっ…!!!』

目を開けたら雄一さんは
確かにそこにいて
あたしは精一杯の力で
彼に抱きついていた

｢…大丈夫、ここにいる｣

あたしを包み込むように
そっと抱き締めて
頭を撫で続けてくれた

『…夢でよかった』

｢すごい魘されてたけど｣

『雄一さんにフラれる夢見た』

｢怖かったねよしよし｣

『誰も信じられなくなりそう』

｢僕も？｣

『…わかんない』

ほんとに怖かった

雄一さんもあの人みたいにいなくなるんじゃないか

誰も信じられなくなるんじゃないか

人間不信になりそうだ

そこから微妙な空気になって
あたしはそのまま家に帰ることにした

『ただいまー…』

｢あ、姉ちゃんおかえり
どこ行ってたの？｣

『コンビニ』

｢コンビニに2日も3日もいたの？笑｣

『そう』

妹に雑な返事をしながら
自分の部屋に入った

はぁ…

髪をほどいてベッドにダイブ

その反動で雄一さんの香りが跳ねた

ケータイをとるために鞄を探ると
何やら四角いものが手に当たる

『………?』

手にとってみると
1冊の本

"祈るように願う"

付箋が貼ってあるページを開くと
そこにはこう書かれていた

"祈るように願う

何度でもやり直せることを

あの人が気づきますように"

考えなくてもすぐにわかった

これは

雄一さんからのメッセージ

元カレのことで崩れそうになったあたしを見て
立ち上がれるよって
何度でも人生はやり直せるよって

不器用な彼からの
不器用なメッセージ