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「ちょっと狭い…よね」

『ちょっと…///』




お互いこの至近距離には慣れてなくて
近すぎて顔上げれないし
背を向けるのも変だし…


布団のなかで当たる足とか、
すぐそこにある雄一さんの香りに
どうにかなってしまいそうだった







気を紛らわそうと違うことを考えようとしたけど
それは逆効果となった




"キスは…どうですか"







って、何思い出してんの!!


ほんと、今日は雄一さんに振り回されてるよ…






「ねぇ花南ちゃん」

『はいっ』


バッと顔を上げたら
思ったより雄一さんの綺麗な顔が近くにあって
思考停止してしまった






「近…い…よね///」

『近い…ですね///』

「花南ちゃん顔真っ赤 笑」

『雄一さんこそ…』




2人で笑い合う





「僕、親和数の話したでしょ?」

『"2つの数がお互いに相手の約数の合計"…ってやつ?』

「うん 親和数ってね
運命的にひかれあう
ちょっと特別な数字のペアなんだって」

『へぇ』

「すごいと思わない?
運命の人も同じだと思うんだ」







「僕と花南ちゃんも
親和数なんじゃないかなって…」


雄一さんは照れながら目を閉じる








『…雄一さん、あたしのことからかってません?笑』

「なんで?」

『なんかドキドキしてるのあたしだけかな…って』

「…花南ちゃんもドキドキしてたんだ」

『だってこんな至近距離
初めてだから…』





そう、元カレとは手も繋いでないし
恋人らしいことは何一つしていない


だから雄一さんとの距離が上手く掴めなくて






『キスは…どうですか』




と口に出してしまった








雄一さんは一瞬驚いた顔になったけど
ふっと薄く笑った

雄一さんの顔が見えないくらいに近くなって
前髪が触れ、高い鼻がぶつかる






『…雄一さん///』

「急にそんなこと言われたら
ほんとにしちゃうけど」

『冗談…ですから』

「それはずるすぎ」








優しく降ってくるキス

ぎゅっと抱き締められてて、彼の香りに酔ってしまいそう








「花南ちゃん 好きだよ」

『あたしも』






そのまま目を閉じて眠りに落ちた

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作者名:にゃんこけし | 作成日時:2017年11月23日 18時

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