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そのことに気づいてしまったから
彼の部屋に今2人きりで居ることに緊張してしまう
だって…
雄一さんと2人だよ?
まぁ、彼は机に向かってて会話もあまりしないのだけど笑
もう少し一緒にいたいけど寒いよねって流れになったから雄一さん家にお邪魔してるけど…
このドキドキを紛らわす為に、本棚の前へ移動した
しばらく眺めてると、1冊の本が目にとまる
"回転ドアは順番に"
開いて読んでみたけど
すぐ閉じてしまった
あたしはきっと今ものすごく動揺している
その動揺で本を落としてしまい、雄一さんが振り返った
「…大丈夫?」
『……///』
何故か声が出ない
別に何でもないのに…
「"回転ドアは順番に"か
懐かしいなぁ」
落ちた本を拾ってそう言う
そしてあたしの耳元で
「"キスは…どうですか"」
と呟いた
「お風呂行ってくるね」
まるで何もなかったかのように大袈裟に明るい声で部屋を出て行った
『―――――――…』
あたしは1人で混乱してしまい、"回転ドアは順番に"を元の場所へ急いで置いた
あんなこと耳元で言われたら
平常心でいられるわけがない
どんどん顔が火照っていく
………大丈夫
落ち着け
そう言い聞かせながら…
――――――――――
それでもあたしの心臓は
まだうるさかった
原因は勿論
「もうこんな時間か…」
黒いニットを着て
いつもの髪型ではなく
前髪を上げて髪を耳にかけている雄一さんだった
いつもの可愛らしさとのギャップに目が離せなくて
どうやらガン見してたらしい
「どしたの?」
なんか知らない人みたい
いや、そう知ってる人でもないんだけど
「あ、ベッドなんだけどさ
僕さっきココアこぼしちゃったんだよね…」
恥ずかしそうに俯く雄一さん
確かにココアがこぼれたあとが残っている
『え、じゃあ…』
「カーペットでもいいかな」
足下を見ると
ギリギリ2人寝れるくらいのスペースがあった
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作者名:にゃんこけし | 作成日時:2017年11月23日 18時