第三十九話 ページ41
クロエが理事長を糾弾しているころ、俺はゼノと少し話していた。
どうも彼の相方はトイレらしいので、戻るまで待つといった感じだ。
「やぁ、君も暇なのかい？」
と料理を皿に盛ったゼノが話しかけてくる。
俺は指で彼女等を指すと、納得したような顔になった。
「しかしまぁ、うちの理事長は時々愛すべき馬鹿になるよねぇ。」
とゼノが笑いながら話しかけてくる。
お前もな、と心の中で突っ込んで、こちらも笑いながら「違いない。」と言う。
「うんうん、理事長はいつか退治されるタイプだよねぇ。」
と笑いながら彼は言うが、俺は友(一応)のために事実を告げなければいけない。
「お前も、今日刺されるぞ。」
そう告げると、食べていた食事を思いっきり吹き出した。
汚い。
「何で！？俺何かした！？」
ティッシュとハンカチを渡してやる。
「お前さっきくすくす笑ってたろ。完全に気づかれてるぞ。刺されることはないにしても蹴りの一つは覚悟しておいた方がいいんじゃないか？」
あれが男の大事なところに当たると痛い。
とても痛い。
「そろそろ戻ってきそうだから俺は戻る。あの糾弾もそろそろ止めなきゃいけないしな。」
そう言って、糾弾を止めにいく。
「クロエ、このババアがこんなのは元からだ、諦めろ。」
その直後に理事長のストレートが顔面に向かってくるが、ブリッジで避ける。
そしてその直後にやや本気のチョップがうたれるが、白羽取りの要領で受け止める。
受け止めた両手から血が垂れる。
「阿呆か！礼装と服が血で汚れるだろうが！」
と批難する
「ババア！ババア！言うな！せめて理事長といえ！」
が、鬼の形相で即答される。
本当のことなので何も反論できない。
数分後には解放されたが、その後躾としてアイアンヘッドをまたくらった。
頭がものすごく痛かった。
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