【H×H】マドンナリリーの花を君に贈る。２ (ページ15)

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…最悪だ。

まさか、旅団にキルアが捕まっているなんて。

気がついた瞬間、私にとって色々なことが絶望的である事を悟った。

何故かはわからない。わからないが、キルアとゴンが旅団に拘束されている。

そして、なによりも解せないのは旅団の中にイル兄がいる事。

イル兄の気配だ、恐らく変装している。

そんな事を頼めそうなのは、この中ならヒソカのみ。

つまりヒソカはこの場にいない。

この場合一番命の危険があるのはゴンだ。

何があってもキルアはイル兄が逃すが、イル兄はゴンを邪魔だと感じているはずだ。

ならこの際旅団を使って殺そうと考えてもおかしくない。

ただ、これを止めることは私ならば可能。キルアもそれに順ずるはず。

しかも、1番の幸は私がキルアと兄弟であるということがバレていないということ。

これがバレていたならばきっと私も拘束されているはず。

ということは、私は今現在団長さんを救うために気絶していた旅団にとって無害な存在というわけだ。

「…ぅ、」

「、A！起きたの！？」

恐らく毛布一枚を敷いて寝かされていたであろう床で、苦しげに咳き込みながら仰向けになっていた身体を起き上がらせる。

一番初めに視界に入ったのはマチ。

涙の滲む目で視線を彷徨わせながら、彼女の青い瞳をじっと見つめる。

「…げほっ…ま、ち……？」

「アンタどんな無茶して団長助けたんだ、1日以上起きなかったんだよ！」

「そ、んなに経って…？」

差し出された水を受け取って飲み、ようやく落ち着いたとでもいうように息を吐き出した。

そして、今更気付いたとでもいうように辺りを見渡す。

「ここは…君たちのアジトか。ごめん、世話になってたみたいだね。」

「気にしないでいいよ。団長もお礼言いたいって言ってた…んだけど。」

「そうか、イル兄の依頼の途中で気を失ったんだ…あれ、団長さんは？父様とゼノ爺様からは守ったはず。」

状況が掴めないと言わんばかりにキョロキョロと辺りを見渡せば、マチは目を伏せて簡潔に説明してくれた。

そしてようやくこの状況を理解することができた。

どうやら、団長さんが今現在人質として拘束され、その団長さんを拘束している『鎖野郎』の情報を持つパクノダが交渉に赴いているらしい。

そしてその『鎖野郎』の仲間がキルアとゴンで、人質の交換をどうにか成功させようとしているようだ。

…なんでイル兄がヒソカになってるのかわからなかったけど。