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「え、今ヨークシンにいるの?」

『うん。オークションに出るグリードアイランドっていうゲームが欲しくってさ。』


電話越しに聞こえてくるキルアの声に、思わず空を見上げた。

私が今現在いる場所は、ヨークシンであり、キルアが先程口に出した市でもあった。


ちなみに、私が招かれた幻影旅団のアジトはヨークシンの外れにある。

ということは、時期的にも考えて幻影旅団がオークションの品を狙っていると見ていいだろう。


「今ヨークシンには危ない人達が多いから、くれぐれも気をつけるように。」

『ああ、マフィアとか?心配しなくても喧嘩ふっかけたりする予定はねーし。』

「……もし、キルアが一目で勝てないと思う人達にあったら、私の名前を出して。」


現在この地に集まっている人間の中で、キルアが勝てないと即座に判断できるような人はそんなに多くない。

マフィアやらゴロツキやらは念を使えるキルアやゴンの相手にならないし、軽く念を使える程度ならキルアにも分はある。


ただ、そんな事も考えられないほどの念の使い手が現れるとしたら…恐らく旅団。

彼らが目的もなくキルアのような子どもを瞬殺するとは思えない。

万が一、億が一何らかの事情がありキルア達が彼らとぶつかる事になっても、私の名前を出せば恐らく確認の電話くらいはくれるはずだ。

そう思えるほどに、団員の彼らは私に友好的だった。


…よく考えれば、ヒソカもいるしゴンは必ず守ってくれるはず。

キルアの事も、イル兄との関係を考えたら見捨てる事はないと思う。

天空闘技場でも電話をくれたのだから、この場合においても、ヒソカが私にくれる確率はそれなりに高い。


『A兄の名前?なに、A兄ってそんなに顔広いの?』

「…イル兄やヒソカ並に強い人達にはね。条件によっては2人よりも強いかもしれない。」

『……そんなに強い奴らがヨークシンにいるって事?』

「任務の都合上口には出せない…わかるねキルア。」


ここまで念を押しておけば大丈夫だろう。

口には出せない、という言葉が肯定だと悟るくらい余裕だろう。


『わかった。ゴンも俺がちゃんと見とく。』

「よろしく。また近いうちに会おうね。」


そう言って通話を切った瞬間に、携帯が振動する。

ディスプレイに映し出された名前は『イル兄』。

任務完了の確認か…それとも、また別の依頼だろうか。

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ゆーな(プロフ) - キルアの甘えたな所とヒソカが何だかんだ優しくて可愛い過ぎる!このお話面白くてハマりました! (2022年1月15日 15時) (レス) id: 83b0960623 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2021年10月2日 2時

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