【刀剣乱舞】かの瞳は雄弁に語る。 (ページ9)

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九柱ページ9

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…掃除なんか手伝わせていいものなの？

そんな疑問が湧いた私は、咄嗟に首を横に振った。

「こんのすけ様は、どうかごゆるりとなされていてください。掃除などをすれば、その白い毛並みが汚れてしまいます」

「あ、あの、先程から思っていたのですが、なぜ私めに“様”などと…？」

「…管狐とは式神であると教えていただきました。ですので、人間が呼び捨てなどをしては無礼に当たるのかと」

「そ、そんな…！審神者様の方が立場が上なのですよ！」

様付けなどしないでください！と焦った様に告げられ、困惑する。

…表情には出ていないだろうが。

「…こんのすけ、でいいですか？」

「敬語も、敬語も外してくださいませ！」

「……わかった。じゃあこんのすけ、掃除手伝ってくれる？」

「はいっ！お任せくださいませ！」

パッと花でも綻ぶかの様に、こんのすけの纏う雰囲気が華やぐ。

外には出さないものの、少しばかり動揺する。

さっきまでの淡々とした機械味を感じていたやりとりが、一気に人間味を増したからだ。

彼の中でどんな変化があったのかと疑問を抱きつつも、そこまで大きくも無い離れに意識を戻した。

「…前任は離れを利用していなかったの？」

「はい。離れには今回から、この様な結界を離れに張らせていただきましたので…」

「なるほど、簡単に殺されてくれるな、と…」

こんのすけに掃除用具のある場所を聞き、掃除用具を入手。

それから、ハタキを使って埃を落としながら離れの間取りを確認していく。

15畳以上ありそうな部屋が一つ、6畳ほどの部屋が一つ、10畳前後の部屋が一つ。

そしてキッチン…いや、厨(くりや)といったか…が一つ。

厨、そして風呂場も母屋と同じ様に現代的な電化製品を取り入れていたので、住むにも問題はなさそうだ。

トイレ…厠(かわや)は二箇所あり、所詮3LDKの平屋といったところだろう。

「…広いな」

「何をおっしゃるんですか！母屋と比べれば離れなど小さいものですぞ」

「…しばらくは慣れそうに無いよ」

ハタキで埃を落とし終わり、次は箒で埃を外に掃いて捨てていく。

どの部屋も縁側に面しており、障子を開けて埃を掃き出すのは至極簡単だ。

体を動かしながら、こんのすけに知識を求める。

本丸のこと、審神者のこと、なぜ戦をしているのか。

…そして、この本丸の刀剣男士のこと…前任のこと。