【刀剣乱舞】かの瞳は雄弁に語る。 (ページ23)

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二十三柱ページ23

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「…寝過ごした」

障子越しに入り込む眩い光で目を覚ます。

太陽の位置を見れば、真上に上がっていてお昼に近い時間帯なのだと察した。

辺りを見渡したがこんのすけはおらず、恐らく政府の方へ顔を出しているのだろう。

ここまで寝過ごすとは…昨日霊力というものを使いすぎたせいか。

まあ、寝ることで回復するなら体力と同じようなものなのだろう。

のろのろと起き上がり、人の目がないことをいいことにどこも整えることなく障子を開け放つ。

昨日干しっぱなしにしてしまった洗濯物を取り込んで、代わりに布団を干した。

朝食のパンを焼きながら身支度を整える。

パンを無理矢理胃に詰め込んで、玄関に向かった。

「ああ、昨日りんご頼んだんだった」

馬は乾草だけでなく、りんごも食べるのだとこんのすけに教えてもらいSanizonにて注文したのだ。

ダンボールに敷き詰められたりんごをどうにか持ち上げ、離れを出る。

今日は、馬の世話と畑をやるつもりだ。

畑はまだ何を植えるか考えてないので、とりあえず耕しておこうと思っている。

「おはよう。りんご持ってきたから食べてね。水も新しいのに変えるよ」

一頭あたり3個のりんごを置いて、飲みかけの水が入ったバケツをひっくり返して水を零す。

1日経ったがまだ水がキラキラと輝いていたので、庭の栄養となってくれるだろう。

3往復して馬の水を変え、りんごを食べたことを確認して新しい乾草を足す。

具合の悪そうな子はいないかと見てみたが、皆元気そうだ…素人目だが。

「悪いね、今日は畑をやってくるよ。3日に一度はブラッシングをするように心掛けるから」

6頭の馬の頭を撫で、畑へ向かう。

井戸を中心として厩の反対にある畑に行くついでに、水は汲んだ。

…荒れてるな。

水を撒いてから耕せば少しはマシになるのかな。

井戸の近くにあった柄杓と、2つのバケツにたっぷり入った水を前に頭を捻る。

この本丸は霊力を喰らうとこんのすけが言っていたから、霊力を喰わせればいいのかと思い至った。

キラキラ光る水の中に一本ずつ手を入れて目を閉じる。

昨日は全身から放出してしまったらしいので、今日は手から放出できるようにするのが目標だ。

…腹の中の塊を解して、指先から出す…指先から、だす＿＿＿＿＿

身体の中を何かが巡るようにして、指先から出ていくのを感じる。

恐る恐る、目を開けた。