20 ページ20
．
「甘いですよ、先生」
「…あ？」
「オールマイトを殺す算段があるから、ヴィランはここにいる」
バックドロップで地面を敵で叩き割った。
が、近くで見ているからこそわかる。
決して、オールマイトが優勢でないことが。
「そして、そんなオールマイトを黙って見ていられる奴は少ない…このクラスは特に」
「…A、お前、」
「先生も実は限界超えてるでしょう…個性の使い過ぎのキャパオーバーと、ラスボスくんの破壊」
目、肘、そして膝、背中、脇腹…と赤く血が滲んでいる。
致命傷になる前に避けたはいいも、ラスボスくんの触れる時間は短くはなかったというところか。
先程から私に見せないようにしている左腕は、もはや機能していない方だし。
「…先生、これからも捨て身で頑張んないと、皆殺しコースかもしれませんね」
私がそう言った時、土煙が晴れる。
その中心には、バックドロップを決めながらも左脇腹に指が食い込み血を流すオールマイトがいた。
黒霧、と呼ばれていた奴の個性で脳無の上半身をオールマイトの真下に出没させたらしい。
そしてそのままワープゲートと呼ばれる入り口で挟み、体を引きちぎるとか。
「ッオールマイトォォ！！」
緑谷くんが階段に続く坂を駆け下りてくる。
そして飛び込もうとした瞬間。
わざと、指で音を鳴らして注目を集める。
それからにっこりと笑って言った。
「ね、ラスボスくん私のこと忘れてない？」
「…、A、少女…っ」
今脳無が抱えているのは、すでに気を失ったヴィランで。
一瞬にして黒い霧に包まれて消えた。
私の元にはオールマイトと緑谷くんがいる。
緑谷くんをゲートに飲み込もうとしていた黒霧に爆発が襲いかかった。
ついで床を這い、脳無を覆う氷。
「ほーら言った…愛されてますね、オールマイト先生」
そして、切島くんがラスボスくんに切り込む。
出来上がった、7対1の図。
相澤先生を下げるべきかと思ったが、私が意見できる立場じゃない。
「ヴィラン顔負けだな」
爆豪くんが抑えた黒霧の首の金属部分。
そこが弱点であり、心底楽しそうに動くなと脅す姿はもうヒーローを目指しているとは思えん。
「脳無」
そうラスボスくんが声をかけた瞬間に、脳無は凍らされているのにも関わらずに霧を抜け出す。
腕がもげ、足が逆に曲がっても立ち上がろうとする姿はやはり人間じゃない。
…あー、再生機能ありですか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 966人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
びだくおん - 25のところ相澤先生のセリフ『礼』が『例』になっていると思いますよ〜 (2018年9月26日 20時) (
レス) id: 928f36eedf (このIDを非表示/違反報告)
裕貴雛@きょーたん(プロフ) - 突然すみません。こいつ何言ってんだと思うかもしれませんが書きます。replaceという単語が書き換えるという意味でで出てきてるのですがreplaceの方が一般的に置き換えるの意味の方が強いです。また、exchangeは商品やお金に対して使うのでchangeをオススメします。 (2018年7月11日 4時) (レス) id: 630a80e8a5 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - すっごく面白いです！！！！これから少しずつわかってくるであろう真実にドキドキします！誰落ちかも楽しみです〜！更新楽しみにしてます！ (2018年6月28日 22時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
ユニ(プロフ) - 紹介文の漢字が英雄になっています！間違ってたらすみません。 (2018年6月24日 18時) (レス) id: dff716be10 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2018年6月21日 2時
