34(明莉side) ページ39
〜明莉side〜
どれくらい走ったんだろう。
私はレコーディングルームを抜けて、その前の大きな公園の中に逃げ込んだ。
ベンチに座る。
Aがうざい。
私より何でもできるあいつがうざい。
幼い頃私達はとても仲が良かった。
2人で沢山遊んだし、どこに行くにも2人ー緒だった。
でも、いつだったっけな。
寒い冬の日。私は失恋した。
大好きな人だった。でも彼の好きな人はAで、私なんて眼中になかった。振り向かせられない、そう感じた。
それから私があいつを見る目は変わっていった。
あいつは可愛くて、優しくて、頭が良くて、運動神経が良かった。だから誰からもモテていた。
隣にいた私はただのあいつの引き立て役。
私の全てはあいつに奪われていった。
だから、やり返そうとしたんだ。あいつさえ嫌われれば、みんな私に同情してくれる。今まで奪われたぶん、奪い返せる。って。
でも…その計画も、またあいつのせいで失敗で終わった。
俯くと、涙がこぼれてくる。
あ「…あいつなんて、いなければよかったのに…。」
口からこぼれ落ちた独り言が誰も居ない公園に響いた。
あいつがいなければ、私はこうはならなかった。あいつがいなければ、私は今頃笑えてた。
考えれば考えるほど涙が止まらない。
するとそこに、
タッタッタッ___
足音が響いた。ランニングしている人でもいるのだろうか。…こんな姿。誰にもみられたくないのに。
そう思っていると、その人影は私の前に姿を現す。
…1番会いたくない人だった。
A『あ、明莉…。』
あ｢何。何しに来たの。もっと褒めてもらえばよかったんじゃないの？あの人たちに。｣
私は皮肉たっぷりに言い放った。
すると、Aの目が光った。
A『明莉…うぅ、…。』
Aはその場で崩れ落ちたかのように泣き出した。
なんで…なんであんたが泣くの。
A『明莉…明莉…ごめんね、私。上手く、演技できなくて、また、明莉を傷つけた…。』
怯えたような瞳でこっちを見てくる。
メイクはボロボロで、髪もぐちゃぐちゃ。
なのに憎ましいほどに綺麗な顔だった。
あ｢そうだよ。あんたが本当にうざい。そういうお人好しなとこも全部嫌い。馬鹿みたい。｣
静かにそう言うと、Aは更に涙を流した。
あ｢なんでそうやって謝れるのよ。こんなに酷いことしたのに。なんでそんな顔できるんだよ。｣
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サラミ - 初コメ失礼します。とても面白かったです。更新は主様のペースで無理しないように頑張ってください。 (2022年10月23日 10時) (
レス) id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
*ゆうらまる*(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます。主様のペースでいいんで、更新待ってます！ (2022年10月6日 17時) (レス) @page38 id: 394490a509 (このIDを非表示/違反報告)
ササク(プロフ) - 更新嬉しい(´；ω；｀)ありがとうございます！ (2022年10月5日 20時) (レス) @page38 id: ba5c48af12 (このIDを非表示/違反報告)
みわ - 続きまってまーす！めっちゃ面白いです！ (2022年9月24日 16時) (レス) id: 2cbe1f5b50 (このIDを非表示/違反報告)
*ゆうらまる*(プロフ) - 元 、 です！ずっと続き待ってます！事情はわかりませんが戻ってきてほしいです！ (2022年9月19日 14時) (レス) id: 394490a509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろこ x他1人 | 作者ホームページ：http://Roco65kun
作成日時：2021年9月22日 7時
