31 ページ35
〜Aside〜
28の続き
な「…でも、歌ってみたは収録しないといけない…。スタッフさんとリスナーのみんなに迷惑がかかっちゃう。これがこのメンバーで歌う最初で最後だけど、」
なーくんはそう言った。
「最初で最後」その言葉が頭に響いた。
私がどんな未来に進んでも、人を悲しませることしか出来ない。
そんな考えがふと脳内に浮かんだ。
私は昔、明莉の心を深く傷つけた。その悪態は私を取り巻いてどんな時も離れない。だから、周りにいる人までもを傷つけてしまう。
もしかしたら、私のリスナーさんも、離れていってしまうかもしれない…。
そう考えると悲しくて、苦しくて、涙が出そうになる。
でも、今は、今だけは…
こんな私に着いてきてくれている人達を笑顔にしたい。
すとぷりに入れてくれて、私のことを良く知ろうとしてくれたメンバーのみんなに私なりの…悪者なりの…感謝の思いを伝えたい。
でもやっぱり1番は、明莉に向けてだ。
仲が良かった明莉をこんな風にさせてしまったのは私のせいだから。だからせめて、ごめんなさいっていう気持ちを歌に込めたい。もちろん、明莉には届かないし、伝わるはずもないけど、でも今の私にはそれしか出来なくて、これを逃したら、もう到底思いを伝えられないと思う。
でも私は、すとぷりのリスナーさんには信用されていないし、嫌われていると思う。まだ1回しか配信をしたことないし、会えていないリスナーさんたちだっている。この歌ってみただって誹謗中傷をくらうだろう。
でも、私はその人たちだけに向けて歌を歌うんじゃなくて、思いを形にするために歌いたい。
そうしないと、自分からの信頼も失ってしまうような気がした。
このまま、このままの弱い私では終わりたくない。
そう思い、私はそっと口を開いた。
『分かりました…。私にとっての、最後のメンバーとしての仕事…やらせてください。スタッフの方々やリスナーの方々、すとぷりの皆さんにも迷惑を、これ以上かけたくないですし…。』
私はもう、ぶりっ子を作ることさえ忘れて、意思表示をなーくんにしっかりと伝えた。
もう、私がぶりっ子をしていないことを誰も驚かなかった。いや、驚く余裕もみんな無かったのかもしれない。
ただ1人、るぅとさんは苦しそうに俯いていた。
きっと、私からの約束をきちんとまもってくれているのだろう。
私のことを信じてくれているのかもしれない…。
そんなことを考え、私は1人、部屋に戻った。
195人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サラミ - 初コメ失礼します。とても面白かったです。更新は主様のペースで無理しないように頑張ってください。 (2022年10月23日 10時) (レス) id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
*ゆうらまる*(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます。主様のペースでいいんで、更新待ってます! (2022年10月6日 17時) (レス) @page38 id: 394490a509 (このIDを非表示/違反報告)
ササク(プロフ) - 更新嬉しい(´;ω;`)ありがとうございます! (2022年10月5日 20時) (レス) @page38 id: ba5c48af12 (このIDを非表示/違反報告)
みわ - 続きまってまーす!めっちゃ面白いです! (2022年9月24日 16時) (レス) id: 2cbe1f5b50 (このIDを非表示/違反報告)
*ゆうらまる*(プロフ) - 元 、 です!ずっと続き待ってます!事情はわかりませんが戻ってきてほしいです! (2022年9月19日 14時) (レス) id: 394490a509 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ろこ x他1人 | 作者ホームページ:http://Roco65kun
作成日時:2021年9月22日 7時