恋。２

元彼宏光 ページ47

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「あれ、A？」



「…宏光？」





定時上がりで帰宅している途中、
高校が一緒だった宏光とばったり会った






「何十年ぶりだ？」



「卒業式以来だよね？
……それより、」







宏光の右手をギュッと握ってる小さい女の子。






私が視線を落としたのを見たのか、


「あ、ほら、このねーちゃんに挨拶しろすず」




「すずっていいます！よんさい！」




「ふふ、初めまして。Aって言います」






元気よく満点の笑顔で挨拶してくれたこの子と
同じ視線になるようにしゃがんで私も挨拶した。





「ぱぱ、公園で遊びたい！」




「おま……、
なぁ、お前今暇？」




「なんで？別にないけど…」






じゃあ、って斜め前にあった公園で3人でいって
すずちゃんは一目散に滑り台へ行き、
私達はそれぞれブランコに腰かけた








「ほんと久々だな」



「うん……宏光、娘さんいるんだね」



「…おう」






やや気まずい沈黙の時間が流れる

私と宏光は高校時代付き合っていた。
宏光が県外の大学へ進学するのをきっかけに、
お互い別の道に進むことになった。







「あれから大学卒業してあっちで就職したけど
転勤でこっち戻ってきたんだよ」




「そうなんだ、こっちで奥さんと出会ったの？」




「転勤先の職場で出会った」






そっか。なんて一言しか出てこない私。
元カレ元カノという関係なのに奥さんの話を
自分から聞いといて別に今はなんにでもないのに
勝手にモヤっとする心








「お前は？彼氏いんの？」




「ここ2年いないよ」




「まじ？前の人引きずってるとか？」




「そんなんじゃないし！」




「じゃあ俺と別れたこと未だに引きずってるとか？」





そう顔を覗かれるように言われてドキッとした胸の奥。






「って、黙り込むなよまさか図星？笑」




「なっ、そんなわけないでしょ！！」




「んはは！！そうやって強がるとこ変わんねーなぁ」





目尻にシワを寄せて笑う彼。

あの頃から見た目もより一層カッコよくなっちゃって
男らしさが溢れ出てるというか。


なのに笑い方とかからかうとことか
名前を呼んでくる声はこれっぽちもあの時のままで。




悔しい。カッコいいなんて思ってしまうのが悔しい。






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「…てか、もっと可愛くなったな」



「もう……やめてよ」









そうやって急に優しい表情して
そんなこと言わないでよ






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