恋。２

嫉妬姫 ページ22

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「ただいま」




「おかえりたいちゃん、久しぶりだね」




「きて」








玄関まで来てくれた彼女を抱きしめた


最近舞台の本番漬けの毎日で
Aに会うのも数ヶ月ぶりなんだ



ドラマの撮影が終われば
すぐ舞台の稽古だったからね。









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「A、」







目線をバチッと絡ませてから唇に視線を移した

もう数センチの距離にある彼女の唇









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「……ん？」




「こんなことより先お風呂入る？ご飯食べる？」








キスしようとした俺の唇に
Aの人差し指が押し当てられた


まるで今はやだ、みたいに言われてる気がした






" こんなこと " ってなんだよ…

俺もう触れたくて仕方ないのに









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「俺今日ここに何しにきたかわかってる？」




「・・私に会うため？」




「そうだよ、Aに満たされにきた」
なのになんでさせてくれないの？」




「き、気分、かな」









目の奥全然笑ってないのに作り笑いしてる




…舞台の役柄上のことで
ちょっとは怒られるかなって思ってはいたけど
まさかキスを拒まれるだなんて思わなかった









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半ば強引にリビングに連れてこられて
ソファに座ってて、とだけ言うと
コーヒーを入れてくれる彼女








「嘘つくのはなしって約束でしょ？」





「だってこんなこと言ったら
私のこと面倒くさいって思うよたいちゃん…」





「思わないから、言ってごらん？」





「…ほぼわかってるでしょ？」





「まぁ…だけどそれは

「お仕事のことは理解してるよ、
でもあんな数百回もたくさんの女性とキスしたり
体なぞったり…さすがにキツいよ…」





「ごめんな…そうだよな…」







コーヒーを淹れてくれて隣に座っていたAの
そのセリフは言い終えると共に声が小さくなってった



背中に手を当ててポンポンしてやってるけど
俺ではその対処法はどうにもならない









「私とキスしたりするよりあのセクシーな女性陣と
キスしたりしてる方がたいちゃんも気持ちいいで…

「A、」





「たいちゃんもキスするの私よりあの人達にした方が…

「これ以上言うなら怒るよ」









そう言うと黙って下向くA


Aは何も悪くないんだよ

だけど俺の仕事でAが自分自身を
下げるような言い方するのは違う








いくら色んな女性にキスされようが触られようが、
俺にはAしかいないんだ







to be continued

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