恋。２

花火大会 ページ17

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『ちょっと宏光待ってよ！』




「遅ぇんだよだから浴衣はやめよーぜって言ったじゃん」








今日は某都内の花火大会





相手がいない同士、
同期の宏光と私で花火大会に行こうってことになって




密かに想いを寄せてる宏光との初めての花火大会は
もちろん女の子として頑張りたくて、浴衣を着てきた


だから宏光にも無理言って甚平で来てもらったの









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『甚平の宏光も悪くないじゃん』




「学生の頃以来だわ、ってかお前それ褒めてんのか笑」









" カッコいい "




そう言いたいのに、素直になれない私は言えなくて









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「お、北山！！
……と、神山？！」








同じ会社の伊藤先輩。

ノリが良くて、なんやかんや後輩想いなひと









「伊藤さんじゃないすか、ちっす」




「先輩にちっすってなかなか生意気じゃねえか！
二人ってことは、お前らそういう関係になったの？」




「違いますよ、何言ってんすか笑」









なっ・・・




そんなサラッと言わなくたっていいじゃん…






って思いながら隣を見上げたら
こっち見てる宏光と目が合った









ふっ









そう鼻で笑ってまた視線は伊藤先輩の方へ









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「なーんだつまん

「まだ、なだけっすよ」








「え？」

『え？』







私と伊藤先輩はきっと同じ表情をして
顔を合わせてる








…まだ、ってどういう……っ









「あ、俺らそろそろ花火見るんで行きますね」



「お、おう…楽しめよ…！！」







すると若干頭が混んがらがってそうな先輩は気にせずに
宏光は私の手を引いて再び歩き始めた









『ちょ…、宏光…手っ…///』




「うっせ黙ってろ」









ちょっと耳が赤くなってる宏光は
これは照れ隠しなのかカッコつけてるのかわかんなかった








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バーン





バーン









って次々に上がる花火を二人で肩並べて見上げる


周りはダントツでカップルが多かった








隣で宏光はすげーな…って目を輝かせながら見てる

彼女って枠ではないけど、
こうして宏光と花火を見ることができてすごく良かった







好きな人と花火を見るのって、やっぱり特別なのかも









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「…A、」




『ん？』




「…今年の花火は特別だわ」




『えっ……』









どうして同じこと…



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