恋。２

シンガポールで ページ2

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「ほんとに来たんだって
まさかやっぱり冗談だったんですか…？」



「そうだよ」



「なっ…！」






なにこの人

あれだけネガティブに考えてはいたけど
心のどこかで少し期待してたのに…





ていうかよく平然とした顔でそうだよなんて言え…

「って言ったらどうする？」








「…へっ？」



「ははははっ！！神山ちゃんやっぱおもしれー」



「きゃっ、ちょっとっ」






そう言いながら私の腕を掴んであっという間に
部屋に連れ込まれた









「い、いいですやっぱ帰りますおじゃましました...！」


「なんで帰んの？」





そう言ってさっきから掴んでる腕を
なかなか離してくれない








「き、きたやまさんは、
私をなんだと思ってるんですか！？」







北山さんにとってどういう存在で、
どんな対象として見られてるのっ？


知りたいよ、あなたがわかんないんだもん








「さっきので怒ってんの？笑」



「当たり前じゃないですか！
誘っといて来たんだとか無責任なこと言うし
人の顔見て急に笑うし部屋の奥にはどうせ
他の女性スタッフもいらっしゃるんですよね！？」





北山さんが私のこと馬鹿にしてることくらい
わかってるんだから！






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「竹内さんとか鈴木さんとかいるんでしょ？
わかってます北山さんのことだから！
ってことで私やっぱり帰りまっ───────








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…私の唇に何かが触れてる






この久々の気持ちいい感触


触れてたものがゆっくり離れて改めて目の前見たら、
北山さんの顔がすぐ近くにあった






待って、私……








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「神山ちゃんってさ、俺のこと好きだよね」




「…はっ？？」








…ムードぶち壊し発言？って思ったのも束の間









「君は俺の何を知ってんの？遊んでる奴と思ってる？」



「思って……まっ…んっ…」









さっきも今も、私の唇に触れてるものは、
北山さんの唇だった。





私キスされてるんだ、。



さっきまでムカムカしてたっていうのに
そんな感情もこのとろけそうな長い長いキスで
どうにでも良くなってきたかも








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「可愛い吐息漏らすじゃん？」







ふっ、と慣れた様子で笑う北山さん

この表情見たらやっぱ遊び人間だって思っちゃうけど




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