パパはカッコいいと思われたい【安室透/降谷零】

◆ ページ6

風「お友達は出来ましたか？」

「うん！あゆみちゃんとね、みつひこくんとね、あとげんたくんと...




左手ではその小さい手を握りながら、右手では自宅玄関の鍵を持つ
一方のAは"愉快なおじさん"筆頭役の風見に顔を向け、初めての小学校での話を楽しそうに



風「何が一番楽しみですか？」

「運動会！」

風「運動会ですか！幼稚園の時も好きでしたよね？」

「だってパパも一緒にやってくれるから！」



っ...そんな事言われたらパパ嬉しくて泣いちゃうだろ

確かに親子競技には積極的に参加したが、そんな事を思っていたとは
これは今夜、運動会のビデオを見直す事が決定したな



「パパね、駆けっこも速いし、すっごく力持ちなんだよ！」

風「そうなんですね！パパの事好きですか？」

「うん！大好き！」



幸せだ
幸せ過ぎる





・




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

風「これはどこに置きますか？」

「うーん...ここ！」



学校からお持ち帰りになった教科書等の整理をお手伝いする中、今新し机の引き出しに入れたのは算数セット
"算数"という懐かしい言葉の響きと、そんな物があのゼロの自宅にあると言う違和感がむしろ心地良い

降谷さんが愛娘の為だけに用意されたお部屋

それにしっかり応えるようにAさんも大いに喜ばれ、ぬいぐるみに溢れたベッドに飛び込まれたり
勉強机の上で腕を広げてみたり

そうやってはしゃぐお姿に降谷さんもご満悦そうにデレデレしながら、"パパが買ったんだ"、"パパからのプレゼントだぞ"といかにも褒めてほしいように詰め寄られていた

...が

突然響いた着信音

どうやら潜入捜査に出向かなければいけなくなったらしく、物凄く嫌そうに支度をされていた横でAさんは"パパ頑張ってね！"と



「今日ね、パパがハンバーグ作ってくれるんだって！かざみも食べる？」

風「そ、そうですね！後でパパに聞いてみましょう」



...とは言え、降谷さんは大事大事な父娘の時間をあまり邪魔されたくない傾向にある
もとより多忙な方である事からそのお気持ちは充分に理解するが

子連れの買い物は手が塞がったりする為に以前はお手伝いを申請していたが、一度たりとも許可されなかったり
Aさんのお誕生日祝いも、滞在時間に制限付きだったり

だから、夕食を共にするのも恐らく...



「約束だよ！パパのハンバーグすっごく美味しいから！」


うぅっ...
可愛さ攻撃ずるいです...

◆→←◆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す