パパはカッコいいと思われたい【安室透/降谷零】

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可愛い



降「撮るぞー！」



こちらに向けてピースサインをする我が娘
先程買った動物の耳がついたカチューシャを頭に付け
犯罪級に可愛い
そんなに可愛くて逮捕されないか？と馬鹿な事まで考える俺は、娘を前にすると著しく知能が下がるらしい



「見せてー！」



と駆け寄って来る様子は、もう可愛いが渋滞してしまっている
そして、こうしてまた一枚と増える"宝物"と名付けられた画像フォルダ

本当にこの命より、この国より、何よりも大切な宝物
いつの間にかそう思えるまで愛情が膨れ上がっていた


最初の頃はやはり、他人が血を分けここまで育てた子だという意識が強く
俺がどうこうするのは道理じゃないのではないかと悩んだ
亡くなった両親に恨まれるんじゃないかと

しかしその中で構い無く"パパー"と懐いて来たA
大人としてそんな幼い子供を放置するのもおかしく、過干渉はしないようにと思っていた俺に


風『少なくとも児童養護施設に預けるのは絶対に反対です。
彼女のご両親が亡くなったのは我々公安、そして潜入捜査までされている降谷さんにも大きな責任があります。
それで施設送りはあまりにも責任逃れだと思います。
しかし、現状ご親族ではご覧の通り誰も養育出来そうにありません。
ルールに従い無理矢理悪環境に子供を送り込むなど、公安なら尚更他の選択肢を考えるべきです。
自ら行った違法作業は自ら片を付ける、それが許される公安だからこそ』


と、あの今となっては生意気になった部下に諭され、確かにこの子には幸せになる権利があると考えを改めて
その一端を俺が担えるのならと受け入れたのが始まり

次第に変に距離を空けないで本当の親子のような存在になれた方が、それもAの為だろうと愛情が湧くようになり

"愛娘"の言葉の通り、愛(し過ぎて大好き過ぎて可愛過ぎる)娘



降「次は何に乗りたい？」

「えっとね、メリーゴーランド！」



力を入れれば潰せてしまいそうなその手をされどしっかり握って、人混みの酷い日曜日の遊園地を進んで行く

公安部の奴らから不在着信が入っているのは気付いているが今日は無視だ
仕事なら、Aに"パパかっこいい！"だとか"パパ大好き！"だとか愛でて貰った後にいくらでもやってやる






...と、この後とんでも無い事になるとも知らずに

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