パパはカッコいいと思われたい【安室透/降谷零】

◆ ページ13

ダメだ
ジャニ◯ズなんかに負けるわけにはいかないだろ

Aの気を引くにはどうしたらいい
ジャニ◯ズなんかと比べられて、"パパより好き"だとか言われたらたまったもんじゃない

パパは銃を持ってるんだぞ
公安警察のトップなんだぞ
だとか言えもしなければ言ってもしょうがない事ばかり思い付いて
そもそもそれらにAがカッコいいと思わなければ終わり


だがそんな時にやって来た大チャンス
自宅テレビのCMでトロピカルランドが映し出され、興味深そうに眺めていたA
行きたいとは言い出さなかったが、子供なら一度は行ってみたいはずの遊園地代表格

これは仕事を放り出してでも連れて行ってやらなければ

と意気込んでから今日この日曜日まで実はしばらく経っている

その途中であった衝撃的な事1つ目
"新しくクラスに転校して来た男の子がカッコいい"という娘の発言
その"コナン君"は運動も出来て頭も良いらしい
...パパだって、運動も勉強も...出来るぞ...

2つ目は、そのすぐ後にもう一人転校して来た女の子含めて、少年探偵団なる物を結成したという事
おかげで帰宅もやや遅くなって来ている

...だが、"ただいまー！"との愛しい声を聞いてしまえばわざわざ遅いなどとは叱れない



「どこ行くの？」

降「どこだと思う？」

「うーん...」



それから、あまりの寂しさに週末はまた一緒に寝る事をAにはお願いした
楽しみにしてもらえるように絵本もネットで注文して、眠るまで読み聞かせている



「お買い物？」

降「ちょっと違うな」



今日は思い切り楽しんでもらい、コナン君とやら所詮顔だけのアイドルやらよりやっぱりパパが一番と存分に甘えて欲しい

仕事を残して来たが為にその内風見から連絡は来ると思うが、娘の方がよっぽど大切だ



「...あ！観覧車だ！...もしかしてトロピカルランド！？」



来たぞ来たぞ
愛娘の喜ぶ表情程眩しいものは無い



「やったー！！トロピカルランドだー！」



小さな手を走る車の窓に貼り付け、俺に背を向けて外を眺める様子
それだけでもう来た甲斐があるように思える

...よし
まずは順調だ
ここからもっと喜んでもらえるように、"パパ大好き"と思ってもらえるように




・



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公「ダメです...降谷さん出てくれません...」



突然仕事に来なければ連絡も付かなくなった上司
一体どちらへ行かれたのかと公安部一同右往左往していると...

この後予期せぬ事態に

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