松田が残していった厄介者 5【降谷零/安室透】

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『私これがいい！』


降谷「ダメだ、高過ぎる」


『あんな車運転しといて、お金無いわけないでしょ』


降谷「....車は車で別問題だ」


『でもセキュリティー必要でしょ！それにこのマンション、学校にすごい近いしキレイだし、これに決まりでしょ！』


降谷「だから高いと言っているだろ！それにこんな目立った場所には住めない」


『え、なんで』


降谷「....俺の仕事を忘れたのか？」


『公安警察？』








そう


退院前日の今日になって、新居で揉めている


あんなちっぽけなアパートからやっと脱出出来るかと思ったのに、







『公安警察だと、家も条件があるの？』


降谷「.....とにかくこういった高級マンションはダメだ。普通のアパートにする」






そう簡単に行かないらしい








『えぇぇぇ....じゃあ私一人暮らしする！』






とは思い切って行ってみたものの、返答はもちろん






降谷「バカな事を考えるな。」





自立できるのかな私.....






降谷「.....側にいてもらわないと困る」


『.....ぇ』





前にも同じような事を言ってたのがフラッシュバックして、もはや自立出来てないのはパパなのではとすら思う







降谷「とにかく、この件については俺が決める。家賃も食費も学費も何から何まで払ってやってるんだから、文句を言うな」


『んんんもう！！ケチっ！』







病室から出ようとする後頭部に向けて枕を投げつけてみるが、届かずに床に落ちる








降谷「はぁ....少しは大人しくしろ」






そう言って枕を拾い上げて再び戻ってくるパパに、数日前の非日常が終わった事をやっと痛感する



私の日常に戻って来れたんだ







降谷「A、次の休みはいつだ」


『え？うーん、建校記念日か何かで、土日月って3連休が今月末あたりにあった気がするけど？』


降谷「空けとけ」


『....なんで？』


降谷「いいから、予定は入れるな」


『3日間全部？』


降谷「そうだ。泊りがけだから荷物をその前の木曜までに準備しておけ」


『泊まり！？ どこ行くの！？』


降谷「明日朝8時に迎えに来るから、今日はしっかり寝ておけ」


『ちょっと！無視しないでよ！』







と言った頃にはドアの向こう







新居も気になるけど、泊まりってどこ行くのかな

個人的には沖縄とか行ってみたいけどな....



って、さすがに車じゃ無理だね

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