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伊野尾「Aさんがまさか大ちゃんの彼女さんだったとは」
「私もびっくりしました、伊野尾さんが大貴のお友達だったなんて…」
有岡「ホントだよな、笑」
伊野尾「2人はどこで出会ったの?」
有岡「えっと…、」
「合コンです、… そう、合コン」
伊野尾「え、大ちゃん合コンなんて行くキャラだったの?俺も誘えよ〜」
有岡「まぁな … 、笑」
伊野尾「じゃ、2人ともごゆっくり」
慧 … じゃなくて 、伊野尾さんのお店は、目の前に本当に大きな木があって 、窓から差し込む日差しが心地いいオシャレなお店だった。
料理も全てが美味しくて … 、車椅子に乗りながらの調理なこともあり、1日15食限定のランチのみの営業。毎日売り切れるほど人気な理由は、この美味しさからか、店主の人柄からか。
店先に並べられたお菓子も可愛くて、とにかく私は、このお店が大好きになった。
有岡「いのちゃんって、こんなに料理うまかったんだな…」
「もう、さっきから元気ないなぁ、笑」
今日は楽しむって約束でしょ?そう声をかけると、そうだな。って笑いかけてくれる。
私ももちろん、迷いがない訳では無いけど、楽しそうにお客さんと話す伊野尾さんを見て、心が軽くなったのは間違えなかった。
有岡「…幸せ、だな」
「うん、ホント幸せ、」
ご飯を食べ終わる頃、伊野尾さんが車椅子に乗りながら器用にデザートを運んでくるのが見えた。
伊野尾「お待たせしました、ラズベリーパイです」
「っこれ … 、」
有岡「…どうかした?」
「いや、なんでも…」
伊野尾さんが持ってきてくれたラズベリーパイは、私が昔、慧に作ってあげたものだった。私が考えたこの不細工なハートのような独特の形は間違えない。
伊野尾「不思議だよね、この形」
有岡「たしかに、ハート…ではないけど、」
伊野尾「でも可愛い、なんか、好きなんだ」
「… 、確かに、可愛いですね、」
伊野尾「昔、俺の大切な人が作ってくれたの」
「大切な人 … 、」
伊野尾「… そ、でもね、俺、その人のこと一切思い出せないんだ、覚えてるのは、ラズベリーパイと、一緒に買った、これ。」
そう言って、伊野尾さんが出したのは、紛れもなく、私とお揃いで買った、クマのキーホルダーだった。
伊野尾「会いてぇなぁ…、」
伊野尾さんは、そう言いながら、少し寂しそうに、外を見つめていた、
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作者名:莉音 | 作成日時:2019年1月9日 11時