拾ノ弐 愛しいという想い ページ41
【何度だって】
杏寿郎は書道教室で遅い母と千寿郎を迎えに行く為に、書道教室を開いている煉獄家の別邸に立ち寄った。そして今日も同じ日常。
その筈だった。今日だって歴史の授業を終えて、職員室で書類を早めに終わらせた。それだけだ。だから、突然の再開に驚愕した。
「_________A……?」
「兄上……」
そして彼女の隣に居るのは縁だ。千寿郎は会う機会が少なくて、覚えてないかもしれないが。千寿郎と同様に可愛がっていた。
手に持っていた傘を思わず取り落とし、放心した。嗚呼、やっと________やっと会えた。ずっと探していた彼女に会えた。
『……何処かでお逢いしましたか?』
「……は」
何を言われたのか、理解できなかった。現実から逃げたい。だがそれは決して、許されない。彼女の瞳を真っ直ぐに見つめた。
『……あの』
「A、君が好きだ」
「俺は君のことが大好きだ」
「君が覚えてなくとも、俺は君を愛しているから。だから、な」
_____俺は君を惚れさせよう。
途端に彼女の白い雪のような肌が赤く染まった。千寿郎は目を見開いた。縁は唖然として、口をあんぐりと開いたまま静止した。
駆け寄って、Aを抱き締める。冷たい雨で濡れた服で申し訳ないとは思ったが、ただ今だけは。彼女の温もりを感じたかった。
「……おかえり」
『ただ、いま』
戸惑いつつも、抱き締めかえしてくれた。
嗚呼、愛おしい君に。
再び初恋を捧げよう。
1382人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユリ(プロフ) - 出来ればでいいんですが、後日談的なものがみたいです (2020年8月26日 18時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
セニオリス - ユリさん» 最後まで読んで下さり、本当にありがとう御座いました。またこの作品に顔を出してもらえると嬉しいです。 (2020年4月7日 21時) (レス) id: 353512f049 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 完結おめでとうございます。最後まで感動しっぱなしでした (2020年3月2日 11時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
セニオリス - アリスさん» 毎度毎度、遅くて申し訳ないです!!最近、スランプ中でして……。どうにか必死に更新をしたいと思います……!! (2020年2月23日 10時) (レス) id: 9ec8afc8ac (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 続きがものすごく気になってそわそわして寝られません。更新頑張ってください (2020年2月21日 22時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セニオリス | 作成日時:2019年7月8日 14時