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追憶ノ弐___殲滅 ページ3

【出会いから十をこえた頃】


それから、互いに仲を深め合っていった。笑うのが苦手だと、そう言っていた彼女。笑顔はあまり見たことがない。

それでも、可憐で儚く美しい彼女に虜にされるには、そう時間はかからなかった。出会いから何年か経った、ある日。



Aの家族が、鬼に殺された。



彼女が日課である、幼い頃に亡くした母の墓参りに行っていた時だったらしい。生憎、Aの父の日輪刀は任務で折れていた。

そろそろ鍛冶師に頼まなければ、と思っていた矢先。鬼がAの家族が住まう屋敷を訪れた。ある程度の、抵抗はした。

それでも、日輪刀を持たない剣士は無力だった。彼女は大切な家族を殺された。可愛がっていた弟の死体を抱き締め、震えてる。

俺が駆け付けた時には、既にそんな状態だった。鬼はとっくに、去っていて、辺りにあるのはAの愛する家族と血塗れの屋敷。



「A!!」



『杏寿郎、さん……』



涙は一切、流していなかった。現実を受け止めていないのだろう。駆け寄り、抱き締めた。震えている背中を、摩る。

『私…が………』



「A」



『私が、墓参りにさえ、行ってなければ』



“置いて逝かれることも、なかったのに”



その言葉に、優しい言葉を掛けてあげることはできなかった。自分がどんなことを言っても、変わらないことは一目瞭然だ。

只々、彼女を抱き締めることしかできなかった。そんなことしかできない自分が、酷く愚かで惨めだ。



身寄りをなくした彼女は、煉獄家で引き取られることになった。

追憶ノ参___一生を共に→←追憶ノ壱___彼女との出会い



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ユリ(プロフ) - 出来ればでいいんですが、後日談的なものがみたいです (2020年8月26日 18時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
セニオリス - ユリさん» 最後まで読んで下さり、本当にありがとう御座いました。またこの作品に顔を出してもらえると嬉しいです。 (2020年4月7日 21時) (レス) id: 353512f049 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 完結おめでとうございます。最後まで感動しっぱなしでした (2020年3月2日 11時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
セニオリス - アリスさん» 毎度毎度、遅くて申し訳ないです!!最近、スランプ中でして……。どうにか必死に更新をしたいと思います……!! (2020年2月23日 10時) (レス) id: 9ec8afc8ac (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 続きがものすごく気になってそわそわして寝られません。更新頑張ってください (2020年2月21日 22時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セニオリス | 作成日時:2019年7月8日 14時

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