冷酷な王子に恋、始めました。Takuya.K (ページ4)

今日:22 hit、昨日:20 hit、合計:103,854 hit

4love ページ4

「………あの、」

「…あ？」

さっきから二人で歩いてるのはいいんだけど、
………ちょっと言いたいことがあって、って言っても

対したことじゃないような、あるような…

そんな意味わからない事を悩んだ末、話しかけたのも束の間。
物凄く怖い顔で私を見つめる。

私が怖がっていることに気がついたのか
……はぁ、とまた溜息をついて面倒臭そうに

「………んだよ、」

と問い掛けてきた。

「いや、その…もうちょっと急いだ方がいいかと……

……時間、おしてて…」

そう、スマホをつけていつにも増して
白々と輝く画面を見せた。

「……それ、早く言えよな。…ほら、急ぐぞ。」

……いやいや、あなたがそもそも気付かないのが悪いでしょ？

そう思ってたら立ち止まってたみたいで
この彼が、嫌悪そうに振り向く………

と思っていたんだけど。

「……何してんだよ。…走るぞ」

「………えっ？！」

振り返った彼の顔は予想に反した
焦っている表情をしていた。

そして、“私の手”を

ぎゅっ…と掴み意外と速い速さで私を引っ張った。

　

そんな、予想の範囲内を超えた行動に脳内がシャットダウン
するも、繋がれている手はなぜか振りほどけなくて……

彼が走るがままにつられてあっという間に

校門までたどり着いていた。