28love ページ29
拓弥side
Aを家まで送る間ずっと引きずってるのは
流石に辛いから、おんぶした。
珍しく抵抗しなかったA。相当疲れたんだろうな。
拓弥「………なぁ、A。次こっち行くんだよな?」
「…………………」
返事がない。え?無視かよ。
でもそれは有り得る訳無い。だっておんぶしてる中で
しっかり顔を覗き込んでまで言ってやったんだから。
拓弥「……おいっ…、」
軽く揺らしても全然声が聞こえない。
しかも、さっきよりAが脱力してる。
え、ちょっ……、急に何?
「…………んっ………………スー」
拓弥「………寝てんのかよ(笑)」
いや、この状況で寝る?
ほんっと、こいつどこまでもあほで
無防備なんだよな。
いくら俺がそういう奴じゃないとしても
普通男とこんな夜中に二人で居たら何ともない奴からでも
襲われるかもしれねぇんだよ?
……でも、俺がこいつを叩き起こせなかったのはきっと、
俺の背中で安心した顔してぐっすり眠ってたからだと思う。
何なんだ。Aは俺の何なんだ。
俺を揺さぶるのはなんだ。掻きむしるのは…………
考えたくない。この先はきっと俺もAも
傷つく答えだ。……きっと。
俺にはまだ、そんな重たい荷は負えない。
………こんな、いい奴…、俺には荷が重い。
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作者名:れんちゃむ | 作成日時:2017年8月27日 0時