検索窓
今日:14 hit、昨日:64 hit、合計:103,910 hit

26love ページ27

ぎゅっ……………と



 


手が軽く握り返される感覚がして
目が覚める。


 

目を開けた先に見えたのは
真っ暗でその中で必死に輝く星だった。





横目でAを確かめようとするともう既に起きていて
俺を見つめて軽く震えていた。




拓弥「………起きてたの………?」



寝起きって事もあって自分でも驚くくらい甘ったるい
声が出た気がする。




そんなこと、どうでもいいくらいマジで夜中な

周りの風景に流石の俺も身震いした。


………あぁ、こいつが震えてる理由、怖いんだ。


 

もうこのまま送って帰るしかないな。そうしないと何起こすかわからねぇし。
そう思って屋上のドアを開けたとき




「…………あっ!……リュック…、教室だ…………、、、」




あからさまに嫌な声、怖い声、絶望の声を出したA。


 
おい、まじかよ。
こんな暗いのに、あそこまで行くのか?



ちらっ…とAを見るとカタカタ震えて
スカートをぎゅぅぅって握りしめて怖さを紛らわすように


耐えていた。

 
今にも泣きそうなこいつを放って置けるはずがない。

しょうがねぇから、手繋いで無理矢理教室まで引っ張って行った。





「…………ありがとっ…拓弥先輩っ!」



本気の笑顔でそう微笑むA。


 
拓弥「……ん。帰るか」


「………そ、…だね。」


いつまでも恐い思いさせるのは悪いから
早く帰ろうと思ったのに




………んだよ、そんな悲しい顔しやがって……



拓弥「………んだよ。一人で帰らせる訳じゃねぇんだからよ。」


「え?」

 

拓弥「何が“え?”だよ。当たり前だろ。

  俺がそんなヤボに見えっかよ。」
 

ほんっと…、A俺をなめてんのかよ。

こんな夜中に女一人で帰らせる訳ねぇだろ。


 

なのに、こいつは未だにぽかん…って口を開けたまんまで動かない。





………はぁ、




拓弥「…………あ〜、……めんどくせぇ、…




  ついて来ねぇと置いてくぞ。」



しょうがないから勝手に俺が歩き出して
2〜3mあけて歩いた。



ここまでしたらさすがにくるでしょ。


 
そんな考えを遥かに上回るのがやっぱりAだ。




「………い、行かないでっ…」



拓弥「………うおっ…、」
 

物凄い勢いで後ろから抱き着いてきた。
 
……ほんとよ、こんなんしたら勘違いすっから……………

27love→←25love



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (67 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
322人がお気に入り
設定タグ:超特急 , 草川拓弥 , 小笠原海
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:れんちゃむ | 作成日時:2017年8月27日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。