26love ページ27
ぎゅっ……………と
手が軽く握り返される感覚がして
目が覚める。
目を開けた先に見えたのは
真っ暗でその中で必死に輝く星だった。
横目でAを確かめようとするともう既に起きていて
俺を見つめて軽く震えていた。
拓弥「………起きてたの………?」
寝起きって事もあって自分でも驚くくらい甘ったるい
声が出た気がする。
そんなこと、どうでもいいくらいマジで夜中な
周りの風景に流石の俺も身震いした。
………あぁ、こいつが震えてる理由、怖いんだ。
もうこのまま送って帰るしかないな。そうしないと何起こすかわからねぇし。
そう思って屋上のドアを開けたとき
「…………あっ!……リュック…、教室だ…………、、、」
あからさまに嫌な声、怖い声、絶望の声を出したA。
おい、まじかよ。
こんな暗いのに、あそこまで行くのか?
ちらっ…とAを見るとカタカタ震えて
スカートをぎゅぅぅって握りしめて怖さを紛らわすように
耐えていた。
今にも泣きそうなこいつを放って置けるはずがない。
しょうがねぇから、手繋いで無理矢理教室まで引っ張って行った。
「…………ありがとっ…拓弥先輩っ!」
本気の笑顔でそう微笑むA。
拓弥「……ん。帰るか」
「………そ、…だね。」
いつまでも恐い思いさせるのは悪いから
早く帰ろうと思ったのに
………んだよ、そんな悲しい顔しやがって……
拓弥「………んだよ。一人で帰らせる訳じゃねぇんだからよ。」
「え?」
拓弥「何が“え?”だよ。当たり前だろ。
俺がそんなヤボに見えっかよ。」
ほんっと…、A俺をなめてんのかよ。
こんな夜中に女一人で帰らせる訳ねぇだろ。
なのに、こいつは未だにぽかん…って口を開けたまんまで動かない。
………はぁ、
拓弥「…………あ〜、……めんどくせぇ、…
ついて来ねぇと置いてくぞ。」
しょうがないから勝手に俺が歩き出して
2〜3mあけて歩いた。
ここまでしたらさすがにくるでしょ。
そんな考えを遥かに上回るのがやっぱりAだ。
「………い、行かないでっ…」
拓弥「………うおっ…、」
物凄い勢いで後ろから抱き着いてきた。
……ほんとよ、こんなんしたら勘違いすっから……………
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作者名:れんちゃむ | 作成日時:2017年8月27日 0時