しょうけら ページ14
ー屋上ー
高橋先生の後を追って着いた場所は、屋上だった
ドアを開けると、高橋先生が妖怪に襲われる所だった
『ギャア！！』
いつの間にか鵺野先生が高橋先生の前に立ち、白衣観音経で攻撃を弾いていた
広「わっ、何だ！あの怪物は！？」
神音「立野君、下がってて…あれは“しょうけら”という疫病神の一種よ」
“しょうけら”
鳥山石燕の“百鬼夜行”に天窓などから家の中を覗き、隙を見ては人を襲う妖怪として描かれてるわ
どうして“しょうけら”と呼ばれてるかは不明だけど…
家に災いをもたらす妖怪として、昔から恐れられてきたのよ
この妖怪が、風間君の容態を悪化させてた原因だ！
広「リツコ先生を起こそーぜ！カッコいい姿、見せてやろうよ！」
鵺野「鎮静剤が効いて眠ってるのさ…そっとしておいてあげよう」
鵺野「わざわざ怖い思いをさせる事もない」
えぇ、そうですね…
高橋先生は妖怪や幽霊を怖がるから、このまま眠らせてあげた方が良い
鵺野「神音、リツコ先生を頼んだぞ」
神音「わかりました」
鵺野先生は鬼の手を出し、“しょうけら”に向かって行った
本当は、これが本来の鵺野先生の姿…
高橋先生…もしこの姿を知ったらアナタは、少しでも鵺野先生の見方を変えてくれますか…？
だけど私は気づかなかった…
薄れゆく意識の中で高橋先生は、鵺野先生と“しょうけら”の戦いを見ていたことに……
リツコ「(鵺野先生…子供達の為に命をかけて妖怪と戦う男…)」
リツコ「(これがあなたの本当の姿だとしたら、私…)」
リツコ「(あなたを…好きになってしまいそう…)」
ー翌日ー
鵺野「悪夢にうなされてたそうですね、医者に聞きましたよ」
リツコ「………」
翌日、高橋先生は目を覚ましたわ
だけど鎮静剤がまだ残っているのか、頭を痛そうに抑えている
私達はゆっくりと風間君がいる病室に入ると…
風間「ぬ〜べ〜！」
元気になった風間君が、鵺野先生に飛びついた
どうやら、“しょうけら”が消滅したことで容態が回復してきたみたいね
神音「ん…？」
さっきから、高橋先生が何も言ってこない？
私は不思議に思い、後ろにいる高橋先生を見て驚いた
リツコ「…/////」
高橋先生は頬を染めて、鵺野先生を見つめていた
もしかして高橋先生、昨日の晩の事を覚えてるの？
これは、思わぬ三角関係が出来そうね
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜萌 | 作成日時：2020年10月19日 0時
