標的33 ごめんな−３ ページ42
トーマ視点
｢しししっ。
姫に手を出して欲しく無けりゃ、武器を捨てて大人しくしな。
俺が順番に殺してやる｣
ベルフェゴールの言葉に、盛大な舌打ちをして獄寺がダイナマイトを捨てた。
山本や髑髏も、ベルフェゴールを睨みながら渋々武器をその場に置く。
笹川も両手を上げ、攻撃しないと云う意思表示をする。
しかし、雲雀だけは構わずトンファーを構えたままで、今にも襲い掛かりそうだ。
「武器を捨てろ。」ベルフェゴールが再度言うが、雲雀は一向に武器を下ろさない。
獄寺に怒鳴られると、雲雀が僅かに顔を顰めた。
｢何時まで続けているつもりだい｣
雲雀が何を言っているのかが分からず、一同が困惑する。
一方、ボクはフードの中で小さく息を吐いた。
他の誰にも気付かれなかったのに、雲雀にはボクが既に起きている事はばればれだった様だ。
はっと気が付いたらしいベルフェゴールがボクに視線を寄越したのと同時に、ボクは零距離で氷魔法(マジーア・ギアッチョ)を唱えた。
ボクに隙を見せていたベルフェゴールは、防ぐ事が出来ずに両手を凍らされる。
唸るベルフェゴールから 距離を取り、ボクは「ごめんな。」と謝った。
唇を結んだベルフェゴールが、怒りで鼻息を荒くして回し蹴りをした。
ボクに向けられてされた それは、しかしボクに届く事は無かった。
どす、と云う鈍い音がすぐ前から聞こえた。
ボクとベルフェゴールの間に立ったのは、山本だった。
｢これ以上、トーマには触れさせねーよ｣
山本が時雨金時を構えた。
ボクがベルフェゴールから離れた事で、獄寺達も再び武器を構えてヴァリアーの四方八方を塞いだ。
血だらけで起き上がる事もままならないザンザスと、ナイフを持つ事が出来ないベルフェゴールと、幻覚が無効化されるマーモンと。
人質もいなくなった彼らに、形勢逆転の予知は無かった。
浮遊していたマーモンが地に下り、「此処までのようだ……」と小さな赤ん坊の手を上げて降参のポーズを取った。
ザンザスは雄叫びを上げて気絶し、ベルフェゴールは盛大な舌打ちと共に凍らされた両手を地面に叩き付けた。
こうして今度こそヴァリアーは完全に敗北し、指輪争奪戦は幕を閉じたのだった。
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ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年7月2日 18時) (
レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しみにしております！これからもどうぞ無理をしない程度に頑張って下さい。 (2019年4月27日 13時) (レス) id: 1e9e5f7638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイチェル | 作成日時：2019年4月27日 10時
