標的29 ボクの最善−１ ページ30
トーマ視点
死ぬ気の炎を逆噴射させて空中戦を繰り広げる主君とザンザス。
分かっていたが、ザンザスの相手で精一杯の主君に助けてもらうのは難しそうだ。
はあ、はあ……。
荒い呼吸をしながら、ボクは手を伸ばせば届く距離にあるポールを見上げた。
ポールはすぐ側にあるのに、指輪は遥か遠い。
普通にポールを倒せば、指輪はボクとは反対の方へ飛んで行ってしまう。
指輪を得る為には、立たなければいけないのである。
以前と云い今と云い、ボクは神経系のダメージを負う事が多い気がする。
しかし、デスヒーターの存在は最初から知っていた。
だからボクは、ローシさんと相談してデスヒーターを自ら解毒する方法を考えて来たのだ。
麻痺して動かない、激痛を訴える腕に鞭を打ち……少しずつ、けれど着実にポールへと手を伸ばす。
そうしてポールを掴んだボクは、「氷魔法(マジーア・ギアッチョ)」と呪文を唱えた。
身体の底から湧き上がって来るエネルギーを、具現化するイメージを浮かべる。
放たれた雪の死ぬ気の炎はポールを凍らせ、そして氷の結晶となって消えて行った。
重力に従って落下する雪の指輪は、ボクの手の中に納まった。
リストバンドに嵌め込むと、ぐさりと再び手首に針が刺さる。
すると燃える様な熱が一瞬の内に無くなり、身体を自由に動かせられる様になった。
ボクが立ち上がったのと同時に、ザンザスが二丁の拳銃で嵐と雷のポールを撃ち落とした。
ベルフェゴールとレヴィ、これで二人が自由になった訳だ。
だが、雲雀は毒如きに負ける珠では無い。
根性とプライドだけで解毒し、並盛中で死人を出さない為に獄寺の元へ行くだろう。
ランボは獄寺に任せれば大丈夫だ。
ならボクは、山本か、笹川か……いや、髑髏を助けた方が、今後の展開が良くなる筈だ。
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ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年7月2日 18時) (
レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しみにしております！これからもどうぞ無理をしない程度に頑張って下さい。 (2019年4月27日 13時) (レス) id: 1e9e5f7638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイチェル | 作成日時：2019年4月27日 10時
