標的24 告白と再会−２ ページ18
麗羅視点
程無くして、階段を上がる幾つかの足音と、獄寺君の怒鳴り声が聞こえて来た。
再び部屋にやって来たシャマル先生の後ろにいるのは、獄寺君と山本君だ。
山本君が軽く片手を上げたので、あたしは微笑みを返す。
｢よっ、麗羅。
元気そうで何よりだぜ｣
｢麗羅さん、この変態野郎に何かされませんでしたか！？｣
獄寺君はずかずかと部屋を横断すると、扉の近くに立つシャマル先生を指差した。
「患者に手ぇ出す訳無いだろ」と言うシャマル先生は、ほんの数分前に自分が何をしたのか覚えていないのだろうか。
そう思ったものの、あれはきっとシャマル先生なりの配慮だったのだろうと考えて「大丈夫だよ」と獄寺君に返事をした。
代わりが来たからと、フラン君がいる部屋を教えてシャマル先生は帰って行った。
｢昨日はお疲れ様っす。
これで麗羅さんは、正式な雪の守護者っすね｣
｢ありがとー。今日は雲雀先輩だったよね？｣
｢はい。認めたく無いっすけど、彼奴は強いんで、俺達の勝利っすよ！｣
獄寺君が嬉しそうに言う。
今日で守護者の戦いが全て終わる事に喜び、あたしの勝利を祝福してくれているのは分かるけど、あたしは素直に喜ぶ事が出来なかった。
あたしが呪文を唱えると、ファルソさんは あっと云う間に一枚の大きな氷河になった。
雪の守護者になれば大切な人を助けられたのに。
そう叫ぶファルソさんの痛切な思いを聞いた時、どうしようも無く胸が締め付けられたのだ。
ファルソさんは光の粒子になって、跡形も無くこの世から姿を消した。
その現実離れした最期に今まで実感出来ていなかったけれど、あたしは確かに、人一人を闇に葬った。
あたしは犯罪者で、殺人犯。
幾ら殺らねば殺られる状況だったと言っても、それは変わらない。
そう思うと、笑顔で「勝てた」なんて言える筈が無かった。
ぎゅっと布団を強く掴む。
「そう云えば、」と云う山本君の声がして、はっと我に返って顔を上げた。
｢あの男の子とは、もう会ったのか？｣
｢ううん。あたしも さっき起きたばかりだし、あの子はまだ眠ってるみたい｣
｢様子、見に行って来ようぜ。
『最も大切な人』なんだろ？｣
山本君に頷く。
あたし達は、フラン君が眠っている部屋に移動した。
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ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年7月2日 18時) (
レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しみにしております！これからもどうぞ無理をしない程度に頑張って下さい。 (2019年4月27日 13時) (レス) id: 1e9e5f7638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイチェル | 作成日時：2019年4月27日 10時
