12月、プールサイドに浮かぶ死体［Nao.O］ (ページ6)

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私は勉強が好きだった。

国語、算数、理科、社会、英語。
私くらいの年齢の子たちが学校で勉強している内容に、私は自分の黴臭い部屋で熱中していた。

テキストを持って来てくれたり勉強の仕方を教えてくれたのは、光輝くんという優しいお兄ちゃんだった。

どこの誰だかは知らなかったけれど、週に一度、母も父もいない日曜日の昼間に私の部屋に忍び込み、勉強を教えてくれていた。

勉強の前に光輝くんからキスをされたり、勉強中にも身体をたくさん触られるのはあまり好きじゃなかったけれど、勉強は好きだったから我慢していた。

何より、光輝くんは両親と違って私を殴ったりしてこないから、拒否して嫌われるのが怖かった。

あの頃は、光輝くんが来てくれる日曜日の午後だけが私の楽しみだった。

尚大くんの家に来てからは、尚大くんが勉強を見てくれている。

大学に通っているという光輝くんに勉強を教えてもらっていたおかげか、私はちゃんと学校に通っている同世代の子たちと同じくらいは勉強ができるらしく、今は高校二年生の数学を勉強している。

尚大くんは勉強が嫌いらしく、質問をしても答えてくれないけれど、どの公式が当てはまるのか一生懸命探してくれるから、楽しい。

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