12月、プールサイドに浮かぶ死体［Nao.O］ (ページ13)

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いつものように、テレビを見ていた時だった。

正確にはテレビから流れるくだらないニュースをぼうっと聞き流しながら、尚大くんの帰りを待っている時。

私がこの家に来て初めて、インターホンが鳴った。

瞬間的に時計を見る。
尚大くんが帰ってくると言っていた時間より1時間も早い。

予定より帰りが遅くなりそうな時は必ず連絡をくれるし、そもそも彼がわざわざ自分の家のインターホンを鳴らす必要なんて、ない。

宅配便も届かないこの家を訪ねる人なんているはずなくて、嫌な予感が脳裏を過ぎった。

もしかして、父と母のことが見つかって、誰かが私を探しに来たのかもしれない。あれからもう3ヶ月以上経っているから、ありえない話じゃない。

私はいつも考えていた。
いつかこの幸せな暮らしが終わってしまう日のこと。

いや、どう考えても永遠に続くようなものじゃないなんてことは分かっていたんだ、初めから。

だけど、私はこの夢みたいな現実の中にずっといたくて
気づかないフリをしていた。

このインターホンの音が、私の幸せを終わらせる天使のラッパの音にも聞こえた。

恐る恐る、玄関の覗き窓から外を見てみる。
だけどそこには、警察でももちろん尚大くんでもない、意外な人がいた。

｢…………光輝くん｣

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