弐拾壱ー皆はどこに? ページ8
{ASide}
西宮先輩を見送って、冥さんに電話を掛ける。
『もしもし、冥さん。』
冥冥「どうしたんだい、七条A。」
『一番、私や庵先生から遠い位置にいる学生は誰ですか?』
冥冥「えーっと、東堂くんと虎杖くんだ。奥の森にいる。あと、そこへの途中に帳の基らしきものがある。」
帳の基を先に壊して、奥に行った方が良さそうか。
早く特級を祓いたいけど仕方ない。
『ありがとうございます。』
電話を切り、帳の基と思われるものの位置へ走る。
修哉「学生たち、無事だと良いね。」
『そうだね。
…全員、ぶっ殺してやる。』
許さない。
・
『見つけた。』
大きな釘が地面に突き刺さっている。これのせいだ。
『…。』
釘を剣を使って壊すと、帳が上がった。
空を見上げると、宙に浮いている兄さんの姿がある。
五条「〔ありがと、A。〕」
口パクでそう言った兄さんに、私も同じように応える。
『〔どういたしまして。〕』
悠仁くんたちの位置まではあと少し。
・
{虎杖Side}
『帳が!!』
宙に浮かんでいるのは、
『五条先生!?』
花御「“どうやら、これまでのようですね。”」
五条先生は一瞬で何処かへ行ってしまった。
花御「“退きます。五条悟を相手にするほど、奢ってはいない。”」
『ザケんな!!何がしてェんだよ、テメェらは!!』
伏黒たちを傷つけておいて!
詰め寄ろうとする俺を、東堂が止める。
東堂「ブラザー。」
『東堂!!何で止める!!』
東堂「それ以上進むな。
…巻き込まれるぞ。」
は?
〈ドドドドド〉
そう思った瞬間、目の前を爆風が駆け抜けた。
目を開けると、地面が大きくえぐれていた。
東堂「相変わらず、規格外だな。これでは、祓えたかどうかも分からん。」
笑いながら東堂が言う。
東堂「さあ、帰るぞブラザー。」
『ああ、とうど…っ!!』
東堂「っ、ブラザー!!」
俺の腹に、短剣が突き刺さっている。
『くそ…、気づかなかった。』
??「…君たちを殺せば、彼女は本気を出すかな?」
長身の男が目の前に現れた。
『東、堂…、逃げろ!!』
東堂「無理だ、お前を置いていけるはずがないっ!!」
???「…貴方、何者?」
その声はっ…!
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作者名:澪花 | 作成日時:2021年1月7日 19時