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終ー“兄妹”、出会いの場所へ。 ページ18

{五条Side}
東京駅に着いて、新幹線に2人で乗る。
車内アナウンスの中、彼女が口を開いた。



A「いい加減この状況を説明してもらえません?」



『Aが海外行くから寂しいな〜って。』



A「それだけ?というか任務は?」



『任務はあるよ。』



A「特級2人が必要な任務?」

彼女は失笑する。



『そうだね。だけど、この任務は呪詛師案件だから。』



A「なるほど。」



『そ。でも安心して、任務は今日のうちに終わる。後の二日は大阪観光ね。』



A「観光?私大阪住んでましたけど?」



『そんな事は気にしない!さあ、駅弁食べよう!!』

予め買っておいた駅弁を彼女に渡す。



A「え、やった!!」

僕の横で目を輝かせながら駅弁を開ける彼女は、何処にでもいる女子高生のように見えた。



僕とAが初めて出会ったのは、彼女が6歳の時。向こうは覚えているかな。
実家から、分家の娘に会いに行けと言われたのがきっかけだった。
彼女は、俺の二つ下の後輩の寺谷瑠奈の従姉妹でもあった。
Aを一目見た瞬間、悟った。



『(この子は、強くなる。)』

と。

六眼を持ち、最強の術式を持った人間。
その時既に、術式の半分を会得していた。
それ故、Aは呪詛師から常に狙われ続け、その首には、昔の僕と同じくらいの懸賞金が懸けられていた。
だから、その後よく大阪を訪れて、彼女の稽古に付き合った。彼女を強くするために。


時は流れ、瑠奈は死んで、Aは一年間意識不明になった。そして目覚めたAが、高専に入学する。
高専の日々の中で、数々の試練を彼女は苦しみながら超えて、強くなった。


そんな彼女を見ていると、彼女になら、任せてもいいのではないのかと思った。
僕の描く未来を、仲間と共に任せても。



A「やっぱり何かがおかしい。気をつけてよ。」

野球大会の後に言われた言葉を思い出す。


僕は最強。だから、万が一なんて起こる筈はない。

それでも万が一、万が一何かがあったら。

悠仁のことは誰が守る?

頼れるのは、彼女しかいない。


僕が伊地知を脅してAと大阪に来た理由、それは。

一つ、彼女との出会いの場所を訪れるため。
二つ、彼女と二人で、じっくり話をするため。



僕は、これから未来を託そう。
そして、真実を話そう。君の祖先の死の真相を。

優秀な呪言師の許嫁であり、時を操る君へ。

あとがき!→←参拾ーLet's go to Osaka!



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作者名:澪花 | 作成日時:2021年1月7日 19時

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