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救うものと救われるもの ページ3

✩.*˚



少年のナイフがシュッと私の腕を切った


子どもとは思えないナイフ裁きに驚きながら彼と目線を合わせるようにしゃがむ



『ここからだと…あれ、どこの国が近いんだっけ』


もう何年も国の方に行っていない
魔女は案外頑丈な生き物で水と少しの栄養分で生きていける。代わりに睡眠の時間は多いけれど。

つまり何が言いたいかというと、買い出しとかに行かなくてもいい分この森に引きこもってしまうのだ。暇と言ってしまえばもちろん暇だがうっかり正体がバレて後をつけられ何かをねだられる方がめんどうくさいのだ。(どうやら魔女はどんな病気でも治せるらしい。私は無理だよ。)





.






男の子は少し戸惑った後、警戒を緩めずもう一度ナイフを構えた。あぁそうだ私腕を少し切られてたんだ




血がぽたりと落ちる感覚は嫌だ。痛いと自覚してしまえばやはり痛い。苦手。


ボロボロな体で、ふらつく足で、私の方にナイフを構える姿は痛々しくて簡易魔法でナイフをポンっとお花に変え、私は更に近づいて言った



『どこから来たかなんて聞く必要なかったね、こんばんは、私はA!君の名前は?』



?「ッあ、えッ、…」


ナイフが花に変えられた今、何も攻撃手段が無い男の子はビクビクと震えながら言葉にならない声を上げる、これは後に知ったが彼の入らされた機関が自由に発言することを許して貰えなかったらしい、生まれてすぐに捨てられ、なおかつ発言権も持たせて貰えなかったのだ。吃音気味になるのも無理はない







?「…ッな、まえ、ないねんッ…」




ようやく絞り出した声もこんなに辛い言葉だった








(顔が真っ青で汗が酷くて)
(自分の前髪をぐしゃりと握りしめて出した声は、彼の悲痛な心の声)

望む→←魔女のこと



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キリス(某教祖)(プロフ) - 感動しますたあああ (1月15日 16時) (レス) @page50 id: 62b7efaae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 伏線が凄すぎる... (5月21日 22時) (レス) @page50 id: f98c154ca8 (このIDを非表示/違反報告)
イレイザー - すんげぇ好き (2023年5月11日 7時) (レス) @page50 id: 3973b7c9c7 (このIDを非表示/違反報告)
ネギです。 - 夜中に見ました。もう凄く感動する話でした。 (2023年5月8日 1時) (レス) @page1 id: d88732d1b8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー(๑╹ω╹๑ ) - めっちゃ良いですね!! (2023年4月9日 17時) (レス) @page50 id: dd978d4aba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:惺月 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年7月27日 3時

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