【ワンピース】 SHAMBLes fifth.【トラファルガー・ロー】

NEKO NEKO ページ43

*【ゾウ編後 付き合ってる設定】



これは一体どういう状況だ...



おれはただ、いつものように部屋で眠りただ目を覚ましただけだというのに

ちらり、と視線の端にある姿見を見る
そこにあるのはいつものおれの姿ではなく




(なぜおれがネコに...！！)




頭から爪先まで真っ黒の、目付きの悪い黒猫だった

これは恐らく現実味のある夢だろう、いくらここがグランドラインとは言えこんなことがあって良いはずがない



ぴゃっと枕元に移動して、その場で蹲る
ここでまた一眠りすればこの変に現実的な悪夢も覚めるだろ


すぅ、と一呼吸して眠りにつこうとしていた時




「船長、もう朝ですよ...って、あれ？」




扉を開け放ったAと目が合う

夢にまでコイツに起こされるとは、いよいよ現実味を帯びてきたぞ


Aは恐る恐るおれの部屋へ入ると、ゆっくりとおれに近寄ってくる




「ね、猫ちゃん...どこから入ったんですか？」

「にゃにゃっ！！(猫に喋りかけて答えるわけねェだろアホ！！)」

「うわぁっ！？何か怒られてる...」



シャーッとつい、感情任せにAに反応したので奴もビビったのか尻餅をつく


トニー屋やベポみてェに言葉が喋れる訳じゃなさそうだし
そもそもコイツが猫のおれをトラファルガー・ローだと認識出来るわけがない


コイツの反応を見たが、やはり夢では無さそうだ
しかし、いい解決策も見つからないうちに、おれの体はゆっくりとベッドから持ち上がる




「船長が連れてきちゃったのかなぁ、お腹空いてるかな？コックさんにご飯貰おうか」

「にゃにゃーん(コイツ、やれば出来るじゃねェか...丁度腹が空いてたところだ」

「よかったぁ、懐いてくれたかな」




いつも上から見下ろしている筈のAの顔が真上にある
ちょっとした悪戯心で奴の頬をペロリ、と舐めると嬉しそうに笑っておれを抱く力を強めた

つーか...胸当たってるっつーの




「猫はなに食べるんだろう、魚すき？」

「にゃ！(それでいい！！)」

「これはオッケーってことなのかな。魚好きなんだ、船長と一緒だね」




船長の魚食べてるときの顔がかわいくて好きなんだ、とおれを抱いたままイチイチ可愛いことを抜かすA


今めちゃくちゃ抱擁したいのに、それが出来ない
少しいつもより密着できたから、まぁこれでもいいかと思えたが...やっぱりおれは人間がいい




おれは、コイツに抱き締められるよりも

おれがコイツを抱き締める方が好きだから

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