【ワンピース】 SHAMBLes fifth.【トラファルガー・ロー】

ヤキモチ・ラバーズ3 ページ28

*【続き】




「まず、女の子っていうのは男に優しくされたい生き物よ。トラ男くん、アンタあの子に優しくしたことある？」



ナミ屋に捲し立てられるように質問されたので、一応覚えている限りアイツに優しくした記憶を引っ張り出す




「治療は、いつもおれがしている」

「それはお前が医者だから、当たり前だろ」

「...敵襲を追っ払った時は褒める」

「それはクルーとしてだろ？」




おれのなかでも優しくしたエピソードを言ったつもりなのだが、麦わらの一味には次々と却下されてしまう

クルーとしてだの、船長としてだの...優しさに違いなんてあるもんか
おれの考えを察して、ナミ屋がアンタに聞いたのが間違いだったなどという

じゃあ、はじめから聞くな...！！




「じゃあ例えば...よ。あの子に何かプレゼントしたりしたことある？誕生日以外で」

「こんだけ長い間一緒にいりゃあ、アクセサリーとか服とか...何かあんだろ？」




そう言われても、おれがAに物をやるのは誕生日以外であまり思いつかない

前に島で欲しそうにしていたペンギンのぬいぐるみなら買ってやった覚えがあるが...



それも言ってみたが案の定、主に騒いでいるナミ屋と黒足屋には心底呆れたような顔をされた

こんなことになるなら言わなければよかった...完全に茶番だ




「じゃあ、プレゼントとかは一旦無しにしましょ、まずは優しく紳士的によ！」

「はぁ？」

「じゃあ、おれの出番だな...」

「よっ！！待ってました、恋多き男サンジ！」




話も追い付かない間に、勝手に奴らは盛り上がる
コイツら...もしかしておれで遊んでるだけじゃねェのか？

黒足屋がまずは予行練習したほうがいいな、と言いながらおれに立つように言う




「まず、Aちゃんが"船長〜"って言ってきた時の反応だ。まずいつも通りやってみろ」

「...何の用だ、とかか」

「はいはいダメダメ〜〜！！」




何だコイツら、クソ腹立つな

ナミ屋と鼻屋が手でバツを作っておれの前に出てくる。ニコ屋も今のはちょっと、と苦笑いだ





「もうちょっと優しく、あと笑って！」

「笑えだと？」

「ナミさんコイツにはまだハードルが」

「勝手なことを言うな、黒足屋。誰が出来ないと言った」





いつになったら前に進むんだ、この話は...

おれは大きくため息をつく




この茶番のせいでさっきまでの嫉妬心なんか、どっかにぶっ飛んで行ってしまった




「ブッ！！トラ男笑うの下手すぎだろ！！」

「アンタなにそれ...フフフッ」

「もうお前ら殺したい」

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