【ワンピース】 SHAMBLes fifth.【トラファルガー・ロー】

未来の"恋人"ポジション ページ24

メルディアナ様リクエスト

「風邪をひく話」


*


ここ最近、変な気候が相次いだからだろうか

皆、少し調子が悪いように思う
＿＿＿＿いや、おれはバリバリに元気なんだけど




「A、何か顔がやつれてねェ？大丈夫か？」

「...あ"ぁ、大丈夫」




特にAは、誰よりも体調を悪そうにしてた

鼻声のようなそれは、最初は「あ"ぁん」と喧嘩を売られたのかと思ってビビった


今となれば、Aに勝てるやつは船長しかいないくらい強くなったのだから



それは置いといて、Aの鼻声も昨日より酷くなってる気がする
心なしか、足元も覚束ないし...いつものあの口煩さがない

皆も、あまりにもAがシュンとしてるから何かあったのかと心配してる




「あ、あのさぁ、洗濯物おれがやっとこうか？」

「...え"？」




ヤバイ＿＿＿＿

Aがいつもよりしおらしくて、可愛らしく振り返ってる筈なのに声がオラついてて笑いそう

でも、本人はおれの気遣いが珍しくて嬉しかったのか、ニッと笑って自分の持っているものの半分を渡してきた




「あ、おい！全部やるって」

「シャチ、何で今日そん"なに優しいの"？」

「それは...」




なんだか、その先を言うのはちょっと照れ臭くて
まさか、"お前が調子悪そうにしてるのがずっと見てて気になってました"なんて言うのも恥ずかしい


ちょっと返答に困ってどもっていると、頭上からタトゥーの入った手が降りてきて




「お前が風邪ひいてるからに決まってんだろバーカ」

「せんち"ょう？！」

「おー、スゲー鼻声...よくコレを放っておいたなお前は」




船長って、なんでこんなにカッコいいんだろう

然り気無く、通りすがりに診察まで済ませてティッシュでAの鼻をちーん、と噛んでやっている

おれもこれくらいスマートだったらモテんのかなぁ



いや...でも、モテる男っつーよりこれは




「お前は今日は体暖かくして寝てりゃいいんだよ、余計な心配かけさせやがって」

「心"配してくれ"たんですね、船長！」

「バカ言え、おれを誰だと思ってる」

「ふふふ...ゲホッ」




お母さん...？

でも、遠目から見ても穏やかそうな顔をしてAの頭を撫でる船長は
おれたちからすれば、お母さんポジションなんて絶対に狙ってないように思えた




Aには、いつも色々して貰ってるし
風邪が治るまでは、ゆっくりと休めばいいと思う

それは、しおらしくて可愛いAももう少し見ていたいというおれ達クルーの総意だ





「休ませんのは構わねェが、お前らその分アイツの仕事回せよ」

「ア、アイアイサー！！」

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